【文豪ストレイドッグス】太宰治に貢ぎたい

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さあ、執務室へと思ってみれば首領は今現在、玄関口にいるという。
下一階に足を踏み入れればすぐ様目に入るのは綺麗に整列された死体袋だ。

ポートマフィア内だけでも100を超える死者の出た今回の騒動は、またいつ起こるのか分からない。
次が来る前に、組織に報復を。


「A」

『ああ…紅葉幹部、おかえりなさい』

「久しいのう。どうじゃ、太宰の居ないポートマフィアは」

『心の潤いが足りません』

そうかそうか、と楽しげに笑う紅葉幹部に私は思わず目が据わる。

私の周りにいる大人達は私が不機嫌になると楽しくなる病気にでも掛かっているのか。


「ほれ、土産じゃ」

『…え』


ひょこっと投げられた封筒にキョトン、と私は固まる。

「開けてみよ、暫しの間私(わっち)の仕事を変わっていた礼よ」


質素な封筒を開け、中に入っていた何枚かの写真に私の心は急な供給に止まりそうになった。

『こ、こ、紅葉幹部！これ！』


その写真には治君が美しく写っていた。
盗撮類では出せないカメラ目線の写真。
どれも、素晴らしくカッコイイ。キメ顔の治君のなんと可愛いことか。


『いいんですかぁ〜、こんな宝！』

「私には唯の紙切れよ」

『ありがとうございます、紅葉幹部！うふふ…』


幸せいっぱいに写真の入る封筒にシワが入らないよう気遣いながら握る。

まさか、首領に報告する為降りてきてこんな幸運に恵まれるとは。

「鴎外殿なら、中也の隣に居るぞ」

『はーい、それではいってきます』


中原君も居るのか。
封筒を見られないようにしよう。


うっかり破られてしまっては大変だし。

もし、破られたら寝込む自信がある。


『嗚呼、いた』





黒服たちの隙間から見えた2つの人影に私は駆け寄った。

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