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Qの異能の意図的な暴走状態により横浜の人口3分の1が廃人同然の人々は探偵社達の活躍によって沈静化された。
其の翌日の事である。
滅多な事では鳴らない私用の携帯から着信音が鳴った。
『…こ、この着信音は…!!』
治君がよく口ずさんでいた自 殺ソングが流れるのはその治君からの電話以外に他ならない。
『も、もしもしっ!?』
「やあ、一週間ぶり」
携帯って素晴らしい…。
治君のお声がこんなにも近距離で聴けるなんて…この電話は録音しておこう。
それにしても、携帯越しにでもわかる治君のイケボ具合と言ったらまあ。
『はあぁあ…治君しゅき…』
「唐突だね、相変わらず」
まあいいや、と話を区切られる。
んふ〜冷たい治君も好き好きの好き。
「Aに頼みたい事があってね」
『嗚呼、丁度私も治君にお願いがありまして…』
何という運命。
恐らく内容も同じ物であろう。
『では、立地の良いあの場所で』
「OK、姐さんは其方に返すよ。中々彼女の接待には出費が酷くてね」
『嗚呼!そんなもの私に言ってくれれば即用意するのに!幾ら?100万くらい治君の口座に振り込んでおくね』
そんなことを言いながらパソコンをポチポチ押せばあら不思議、治君の口座には100万が振り込まれる。
お金は治君以外の事には大して使わないので余りに余っていた。
ここ4年半の残業、残業、残業のブラック企業もマフィアも真っ青な仕事を続けた私の口座は潤いに潤っている。
嗚呼、頑張って働いたお金を推しに貢げる幸せを噛み締めている時間が世界で2番目くらいに幸せだ。
「毎度ありがとね。昨日のチャフで正直財布が軽くなった」
『追加しよう、本気で其れは此方が悪いヤツ』
軽く1000万程振り込んで、私は渋々と電話を切った。
お互い、言いたい事はある程度言語を省いても理解出来てしまうのでこういった話だと直ぐに終わってしまう。
この頭脳のお陰で治君とも出逢えた訳だが、この時ばかりは涙ぐむ程悔しい。
『よぉーし!首領にお茶会のお誘いといこうじゃないか!』
気分を変え、
ふふーんと上機嫌に鼻歌を歌って私は執務屋を出た。
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ユウリ(プロフ) - ねころさん» 個人的に私もそこ大好きなので(自画自賛)同じ人が居て嬉しいです〜(^^)祝日の間にあと一、二話更新出来たらなぁと思います (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 指摘ありがとうございます!深夜テンションで書いていたので全く読み返した時と分かりませんでした……ストーキング夢主をこれからもどうぞよろしくお願いします(( (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
神皇音雅樂(プロフ) - 夢主の太宰への一途さが可愛すぎます。これからも更新頑張ってください。あと、32話の"人の話"が"人な話"に、"首領の話"が"首領の話し"になっています。訂正お願いします。 (2019年9月16日 7時) (レス) id: d0313e3af1 (このIDを非表示/違反報告)
ねころ(プロフ) - 潔い…しゅき…のところが好きすぎて見返しては頬が緩むのを感じます。更新楽しみにさせて頂いております。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: ef39eb690c (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - コメントありがとうございます!応援して頂けると本当に励みになりますm(_ _)m (2019年9月10日 18時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年8月12日 13時