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19笑目:機械人形の崩壊 ページ23

音遥が優雅に紅茶部の活動に参加していた頃…

翼は、ある人物に呼び出され…学院の屋上まで来ていた。

その人物は既に到着しており、美しい夕暮れを眺めている。

翼「…。」

それを、黙って暫く見つめていた翼の気配に漸く気付いたらしい。

緒「悪いな、忙しい時に呼び出して。」

呼び出した人物…衣更 真緒は振り向き、人の良さそうな頬笑みを浮かべて翼を出迎えた。

翼「…あぁ。手早く済ませろ。」

それに、翼はいつも通り無愛想に返答し…鋭い目付きで真緒を見返す。

そんな様子に真緒は苦笑し…

一つ深呼吸をして、真剣な表情で翼に言う。

緒「…俺が気になってることは、一つだけ。あのB1の時、なんでお前が苦しそうにしてたかってことだ。」

翼「っ…!」

真っ直ぐにこちらを見つめる真緒の瞳は純粋で…翼はジッと見ているのが辛くなり…

目を逸らしながら、平静を装い…

翼「…くだらない話なら帰る。」

翼「…俺はロボットだ。音遥を守り、肯定していることだけが使命。…そんな俺に、傷ついたもついてないもないだろう。」

冷たく真緒を突き放す。

そうして、翼は逃げるように立ち去ろうとしたが…

緒「待て。…お前、まだ質問答えてないだろ。…それに、話もまだあるから。」

手首を掴んだ真緒に止められ、逃げられない。

それを心底不快そうにし…睨み付けるようにして心から真剣そうに、噛み付くように言った。

緒「なんでB1の時…苦しそうにしてた?今だってそうだ…。そんな苦しそうな顔してんのに何にもないなんて、絶対にないはずだ。」

緒「言ってみろよ、翼。お前のしたいこと!言うこと聞くだけじゃなくて!ちゃんと自分で何がしたいか言えよ!!」

緒「…ここに、お前を縛るものは何もないだろ?」

最後に真緒が、何故ここに翼を呼んだのか…本当の胸の内を明かして…諭すように頬笑みながら。

そんな彼に返ってきたのは…

翼「これ、は…なんだ?」

戸惑った様子で、静かに滴り落ちる涙に触れる翼の声で…

彼の涙に真緒も困惑し、近付こうとすると…彼は手を払い除けた。

その目は、明らかに怯えていた。

そして、真緒は気付いた。

その怯えの理由が…

翼「…おかしいんだ。お前の傷ついた顔を見たりしたら…胸の奥が、凄く痛い。苦しくて…もう、放って置けない。涙まで出てきてしまったら…もう手遅れだ。」

翼「俺はロボットでいられなくなる…っ!」

翼「…それでもいいから、教えてくれよ…衣更。この感情は…この水は!いったいなんなんだ!」

真緒や、転校生などの他人にはなく…

翼自身の中にあることを。

20笑目:芽生えた感情→←18笑目:エルフと吸血鬼



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カトレヤ(プロフ) - 壊れた音楽家さん» コメントありがとうございます!ユニット名とカフェの名前はオレが考えたのですが多分同じアニメだと思いますよ!これからも応援よろしくお願いします! (2019年2月17日 14時) (レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
壊れた音楽家 - 完結おめでとうございます!夢主くん同士の関係が俺の好きなアニメのキャラのようで嬉しいです。また、ユニット名もカフェの名前もそのアニメに出てくるので嬉しいです!次回作も期待してます! (2019年2月17日 14時) (レス) id: b9c431de9a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ワイモイさん» ありがとうございます!これからもカトレヤさんと一緒に頑張らせていただきます! (2018年10月14日 8時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
ワイモイ - Gooooooooood!(゜∇^d)! (2018年10月14日 8時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カトレヤ&月 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月22日 22時

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