心はガラスでできていた

９笑目:皇帝とエルフ ページ12

生徒会室... 音遥side

英「先日の「S2」での優勝、おめでとう。音遥くん...相変わらず腕は落ちてないね」

『それはどうも〜、まぁそっちが手引きしてくれたから派手に決まったわけだしね。そこは感謝しとくよ英智』

いまどこにいるのかって？この間の「S2」での件について呼び出されて生徒会室だよ〜。めんどくさいながらね

それでいま、生徒会長が座る机の前にイスを置いて、英智とチェスの最中で〜す

え？なんで呼び捨てなのかって？まぁいわゆる「顔見知り」だからね。お互い気楽なもんだよ

ちなみに他の役員...蓮巳先輩とか衣更とかは普通に仕事してるよ？

英「そういえば、今日は翼くんはいないのかい？いつもきみの後ろにいるのに」

『あ〜...春から入った異分子に触られたせいでダウンした。ほんと最っ悪』

収まったイライラがまた復活して少し乱暴にナイトを動かしてそこにあったルークを取る

英「異分子とは、またすごい言いようだね。あの子はなかなか有能だよ？」

『俺は英智ほど甘くないよ。英智は使えないやつでも、なにかしら利用価値を見出だして利用する。でも俺はね、使えないやつや無能は切り捨てるよ。完膚なきまでに潰してから』

あ、クイーン取られた最悪

英「僕もきみの言うほど、甘くはないんだけどねぇ」

『俺から言わせたら甘いから...はぁ、とりあえず翼とあの異分子がちがうクラスでよかった。どっかのお節介が気にかけるだろうから、いい交流になるだろうけど』

チラッと衣更の方を見ればビクッと身体を揺らしたのが見えた...残念だったね、とっくに翼からネタは上がってるよ

英「意外だねぇ、きみは翼くんのことを利用しているのかと思ったよ」

『してるよ〜でもさ、あいつは俺の所有物なんだから。所有物が汚されたり、傷をつけられるのは許せない...それは英智もそうでしょ？』

ニヤッと笑いながらポーンを一番英智側の列に叩きつける...これで終わり♪

英「...うん、そうだね。そこは同意見だよ」

『よかった♪じゃあ俺もう行くから、翼つれて帰らないと』

さっさと立ち上がって生徒会室から出ようとすれば「あぁそうだ」なんて言われるから思わず振り向いた

英「今回のゲームの勝敗は？」

『そんなの引き分けでいいよ』

さぁて早く帰ろっと


Noside

音遥が帰った後、一人チェス盤を見る英智...正確には、音遥が最後に動かしたポーンを見ていた

英「プロモーション...ポーンが一番奥まで進むと、キング以外のチェスマンで好きなものになれる技か」

そして背もたれにもたれかかり、楽しそうに笑った

英「相変わらず強いねぇ...音遥は♪」

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