54曲目:なにも知らない ページ21
森の中... 泉side
颯「すまぬがマスターを探してきてはもらえぬか？おそらくこの家の裏手にある湖畔にいるはずである」
凛「日中は俺パスね〜...」
なんて言われて俺は一人で森に来ていた
にしても昼ご飯作ってた颯馬はいいとしてくまくんはほんっとふざけないでくれる！？ 後で悪夢見せる呪いかけてやる！
♪〜♪〜♪〜
泉「？歌？」
そりゃここは森だから妖精たちが歌っててもおかしくないけど...でもこの感じ、妖精たちじゃない...？
泉「！...ママ？』
颯馬の言った通りの場所にいたママは岩の上に座って、どこか遠くを見るように歌っていた
『♪〜秘密の森の奥で佇むほとり一人きり
水鏡写す自分見て「あなたは誰？」と囁くの
私は独り独りきり、そうだとわかっていたのに
ココロが痛むのはなぜ？風が泣いているのはなぜ？
私はバケモノのはずなのに〜♪』
...悲しい歌だった。一人が寂しいことも、辛くて苦しいこともわからず、まわりはおろか自分の心がボロボロなことにも気づかない「バケモノ」の歌
俺は、それがなぜだかママ自身のことを歌っているように聞こえた
そういえば、俺はこの人について...なにも知らないんだな
『...イズミ？』
あ、気づかれた
『どうかした？』
泉「昼ご飯だって。颯馬が困ってたよ？」
『そっか...わかった。行こう』
岩から下りて歩き出すママについて来た道を戻る
その途中で、思いきって聞いてみることにした
泉「ねぇ...ママには、家族はいたの？」
『！...いないよ。師匠はいたけどね』
泉「師匠？どんな人だった...っ！？」
そう尋ねれば、ガラス玉みたいにがらんどうの瞳をしてママは言った
『.....イズミには、もう関係のない人だよ』
俺は、その言葉に頷くことしかできなかった
ーーーーー
作中の歌は仲良しの神崎ユエさんに書いてもらいました！
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カトレヤ(プロフ) - 夜空さん» コメントありがとうございます！ (2018年8月10日 2時) (
レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - すっごく面白かったです！！！感動しちゃいました…。素敵なお話をありがとうございましたっ！ (2018年8月9日 1時) (レス) id: e8c7ffb194 (このIDを非表示/違反報告)
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