４０呪目:魔王の贖い ページ6
Noside
橘兄妹の住む森から何キロも離れた都会
キラキラと光る明かりのおかげで夜も明るいオフィス街やネオン街から、それなりに距離が開いた住宅地
そこに無数に存在するマンションの一つが...いまの朔間零の住みかであった
アイドルの仕事のために借りたマンションの一室は明かり一つついていない
さらにカーテンやブラインドといった遮光道具によって完全に光は遮断され、暗闇に包まれていた
零「.....」
...そしてそんななにもない暗黒の空間で、ソファーに寝そべって...零は、家主は、ただそこに「いた」
ガチャンッ
「うわ暗っ！？も〜また消しっぱなしにしてるでしょ！」
突如響いた声に零は誰が来たのか察したが、動くのも億劫だと音の方に視線を向けただけだった
パチンッ
「ちょっと朔間さん！お願いだから電話とメールにはちゃんと出てよね！？死んじゃったかと思ったじゃん！」
零「うぅ...眩しいから消しておくれ薫くん...」
合鍵を使って勝手に入り、電気をつけた相手は薫だった。というかUNDEADは全員零の家の合鍵を持っている
仕事以外では完全な引きこもりになってしまった零は、こうして部屋を真っ暗にして文字通りなにもしないで過ごすことが常になった
別にそれだけならなんの問題もなかったのだ、仕事はしているし
問題は本当に「なにもしない」のである。一度長期での休みがあった後、零が無断で仕事を休んだためUNDEADで見に行ったところ部屋でぶっ倒れていたのだ。理由はなにも食べていなかったからである
以来UNDEADのメンバーは交代で零の様子を見に来ては食事を作っているのだ...彼が、自ら命を絶つ道を選ばないように
薫「ほらも〜雨戸もブラインドも開けて！ていうかいい加減日光にあてないと部屋中カビるよ！？」
せっせと窓を開け、買ってきた食材を袋から出す薫だが、零は目を腕で隠しながらなにも見ようとしていなかった
.....零の時間は、三年前のあの日から...ずっと止まったままなのだ
薫「(ほんとに橘くんいないとダメだったんだなぁ...なにがあったかは大まかにしか知らないけど、自分から遠ざかるくらいだからかなり傷ついてるってことだよね？)」
薫「(奏汰くんなにか知らないかなぁ...一応五奇人の一人の執事だったし、情報くらい持ってるといいんだけど)」
長いつき合いの友人にほんの少しの期待を込めながら、薫はわざと口喧しく零の世話を焼く
...かつての雰囲気が、少しでも昔の彼が死ぬ時間を伸ばせるようにと祈って
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夜桜ナイフ - おォ！そうだったんデスか！謎がとけてスッキリシマした。説明していただきありがトウございまシタ。 (2019年7月31日 9時) (
レス) id: e71f9e4ab9 (このIDを非表示/違反報告)
カトレヤ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» 一応主人公が戻ってきてくれたので「お帰り」と言わせたつもりです。わかりにくかったならすみません！ (2019年7月17日 22時) (レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ナイフ - 何故零は『お帰り』と言ったのですか？すみません僕、理解力が無くて…教えてくれると嬉しいです。 (2019年7月17日 22時) (レス) id: e71f9e4ab9 (このIDを非表示/違反報告)
水花月(プロフ) - 素敵すぎて一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございました！そして思わず筆がすすむほどに千景君に惚れました…魅力的な主人公でした(^^) (2019年2月22日 18時) (レス) id: 2c88131c0b (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 完結おめでとうございます！結末が予想外でびっくりしました。これからも他の作品を拝読させていただきます、ありがとうございました。 (2019年1月31日 9時) (レス) id: bc5dc7d709 (このIDを非表示/違反報告)
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