14呪目:ありえない合同ライブ ページ18
Noside
そうしてはじまったfineとValkyrieの勝負
それは、とても異質なものだった
今回のステージはKnightsの十八番である「デュエル」形式だ。つまり自分たちがそれぞれのパフォーマンスをするからそれが噛み合うことはありえない。絶対に
だが、いまのステージはまるで合同ライブだった。それも完璧な
観客はなにもわかっておらず、異常だと気づいているのはfineだけ、その中でも普段通り動けているのは英智と渉くらいだ
みかが宗が指示した位置取りに立ち、巧みで異様な動きで弓弦と桃李を翻弄しつつ、かき乱し
英智たちが救出に行こうにも、それを阻止するかのように宗が牽制する
桃「う〜...?わけわかんない、意味わかんない!なんだお前っ、邪魔だよ!似たような動きと歌なのにびみょうにずれてるっ、気持ち悪い!イライラする〜っ!」
桃李がそう言うのも無理はない。互いに牽制し合う異様な状況でも違和感を感じないのは彼らの中間地点で千景が歌い踊っているからだろう
『♪〜♪〜♪〜』
fineとも、Valkyrieとも取れる歌と動きで全てを掌握し、観客へ違和感を与えず、fineの思うようにさせない
繋ぎの役ができる人間などそう多くはない。それができる千景は、本当に優秀なアイドルなのだろう
英「相変わらずのようだね、橘くん。病を抱えた身でそこまでの動きができるなんて...やっぱりあのとき強引にでも手元に置いておくべきだったかな」
そんな英智の言葉にそれまで穏やかな無表情で踊っていた千景は、怒り狂った表情で英智を睨みつけた
それにはさすがの英智も驚くがそれに構わず、怒鳴りつけるようにして千景は言い放った
『貴様に認められたところでそれは「俺」にとって無価値でしかない!傲慢も大概にしろ天祥院英智!俺は貴様をいつまでも許さない!』
『俺の二人の主人を傷つけ、貶め、破壊した!主人の大切なものを傷つけた!それだけで俺にとって貴様は万死に値する!!』
『悪逆を働いた上で天国に召されたファウストのようになど俺がさせるか!天使にこの身が焼かれようともっ必ず貴様を地獄に引きずり堕とす!!』
「執事としての自分」をかなぐり捨て、「一人の男」として怨讐の声を響かせる千景は
...天から追放された天使が悪魔となり、遥か天空の神々への怨み言を叫んでいるかのようだった
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ぬん(プロフ) - 世界観がとても好きです。更新楽しみにしています! (2019年1月6日 23時) (レス) id: bc5dc7d709 (このIDを非表示/違反報告)
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