引かれた弓の行方、華の咲き場所 ３

第９１開花:兄妹再会 ページ23

SS当日... 弓弦side

弓「.....弓華」

茨に電話で呼び出され、妹の側にいるようになってから早数日

坊ちゃまに今回の件について説明の電話をすれば「そういうことならボクより弓華の側にいてあげて」と許可をいただきました

...坊ちゃまはわたくしより弓華のことを心配しているところがありましたからね

ブブブ...

弓「？...おや」

送られてきたメールを確認すれば相手は噂をしていた坊ちゃまで、 Trickstarのみなさまが順調に勝ち上がっていることをSSに参加できなかった不満とともに教えてくださいました

.....となると、やはり決勝であたるのはEdenになりますね。茨...いや、Edenは一体いつその牙を向くのでしょうか

...これ以上妹を泣かせるような真似をするのなら、けして許しませんからね。Edenのみなさま

弓「！...まだ持っていてくれたんですね」

早朝、いきなりやってきた茨は「普段から弓華が身につけているものだ」と言って、小さな紙袋を押しつけていきました

それの中身は十年前に父さんが渡した懐中時計、坊ちゃまが見つけて渡した四つ葉のクローバーがレジンキャストに包まれた片耳だけのイヤリング

そして、「あのとき」わたくしが誕生日プレゼントとして渡した赤いマフラーでした

...弓華。あなたはわたくしたちのことを、ずっと思っていてくれたのですね

それなのにわたくしは...一度でもあなたを諦めようとしてしまいました。本当に情けない、ダメな兄ですみません

それでもいいと言ってくれるなら、いまだけでもいい。あなたを護る「兄」でいさせてください

『.....』ﾋﾟｸｯ

弓「！」

微かにまぶたが震えたあと、ゆっくりと開き、数日ぶりに妹は目を覚ましました









弓「弓華...！」

『？...ゆ、づる？」

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