34歩目:帝都散策 ページ37
三日後... 帝都大通り 時雨side
泉「人...多い...」
『ここが帝都で一番人がいるからな、しかもいまは昼時だし』
六人で無事に帝都に戻ることができた三日後、俺は泉を抱っこして帝都を案内していた
この間までは「すぐに親を探して返すんだから帝都のことを詳しく知らなくていいだろ」と思ってやらなかったがこれからはそうもいかない
泉は本格的にこの街で暮らすのだから
「あらあら時雨ちゃん。かわいい子ねぇ弟さん?」
『まぁそんなもんかな。これからはこの子もいるから涼風に依頼するときはこの子もよろしくね』
「わかったわ。あ、ちょうどお饅頭が蒸かし終わったのよ、よかったら持ってって」
『あ、ありがとね!ほら泉、お礼』
泉「え、あ...ありが、とう...」カァァ
恥ずかしがって俺の肩に顔を赤くして隠れるようにしたがちゃんと言えたからよしとするか
「いいえぇ、また来てちょうだいね泉ちゃん」
これでちょっとずつ人見知りを直していくか
ーーーーーー
市街地
泉「ここは...?」
『ここは一般家庭が住む場所、大通りとはちがう意味でにぎやかだろ?』
大通りはただただ人の多さでにぎやかという感じだが、この市街地はいかにも「生活している」というにぎやかさで俺はこっちの方が好きだったりする。大通りとかも楽しいけどな
泉「泉...ここ、好き...」
『おっそうか、いいだろここは。なんかあったかい感じで』
泉「???」
う〜ん...やっぱ基本妖怪だからそういうのわかんねぇか...
「あ、時雨にぃだ!」
元気な声に前を向けば橙色の髪に好奇心の強そうな青い目の、いまの泉の姿より一、二つ年下に見える子どもが駆けてきた
その後ろから黒、金、赤紫の髪の、同い年に見える子どもたちが追っかけてきているのを見て思った
「この市街地のわんぱく小僧たちがやってきた」って
『よっひさしぶりだな、スバル、北斗、真、真緒』
ス「ひさしぶり!最近来なかったから退屈してたんだよ!」
北「文句を言うな明星、時雨にぃも忙しいんだぞ」
真「あれ?時雨にぃその子は?」
緒「時雨にぃの親戚?」
『ん?あぁこの子は俺の弟みたいなもん、仲良くしてやってくれ』
泉「...瀬名、泉」
あれ?なんか機嫌悪い?
ス「時雨にぃあそぼー!!」
『はいはい、わかったって』
スバルが俺の着物の裾を引っ張りながら言うと
泉「にぃには、泉の...!」
泉は逆の裾を引っ張ってほほを膨らませながら言った
...なるほど機嫌が悪かったのはそういうことか、でもな
『お前ら引っ張り合ってもかわいいだけだぞ〜』
とりあえず泉とこの子らを仲良くさせるか
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Hikaひかり(プロフ) - かっちゃんおひさーわいわい雑談の方にコメントしたからみてちょ♪ (2017年12月30日 18時) (レス) id: 16a9728f09 (このIDを非表示/違反報告)
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