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碧の雷 ページ4

 
 
 
 
 
 
 


黄色いカミナリがびりびりと辺りに散らばっていて、うっかり触れば感電してしまいそう




景色は紅く染まりゲームでいうゲームオーバーの時のような色味である
その時黒か紅かは製作者側によって違うけれど




兎にも角にも、変わった様子の寮内を歩きながら物珍しげに辺りを見やる私




その内談話室に着いて、こっそりと見ることも無くそのままのペースで歩を進めてゆく






『おいっす〜。元気そうだねジャミル君』


「......何だ、アズール達が言っていた配信とやらでも見て慌てて来たのか?」


『配信?何のことか分からないけど、私はあくまでもハムちゃんに言われてノコノコやって来たんだよ』


「...ハムちゃん?」





うんハムちゃん、と肩に乗る小さな戦士を優しく撫でてやる
彼は呆れるような顔をしてこちらを見ている




ふむ。会話が成立するのは勿論の事、中々どうして安定しているな




時間もしばらく経っているであろうに未だに空間の衰えも見られない、寮生達は一人ひとりしっかり魔法にかかったままであるし






「....くだらない、というか、今まで無口だったお前がそんなにも喋るなんてな」



『あぁ、それは魔法が解けてしまう危険性があったから保険をかけてしていた事であって、戴冠式を終えてしまえば完全に関係のないことになるから、という理由だよ』



「戴冠式....お前のか?」



『いいや、妹のさ。力持たざる者が即位する訳が無いだろう?』







やけに話す私を訝しみながらも何もしてはこないジャミル
話し相手でも欲しいのだろうか、と的はずれなことを考えておこう




そしてその言葉を鼻で笑いそうだ、と言う






「お前はそうかもな、しかし俺は違う。自由になったんだ。



やっと、やっとだ......



やっとこの俺が一番強いということが証明できる、誰にも止めさせやしない」






なんか馬鹿にされた様な気がするのだが
自信満々に言う彼に少しムッとする







『....何が一番だよ、お前、本当にそんなモノが欲しかったのか?』





「......は?」







上機嫌に笑っていた彼に首を傾げて問いかけてみれば、今度は彼がムッと、を通りこして無の表情






だがちっとも怖くない
だからこそ言わせてもらおう、何度でも






『一番って、そういいもんじゃあないぞ?』





間違えて、後悔してほしくは無いから






 
 
 
 
 
 

碧の少年→←碧の諜報員



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作者名:あしな | 作成日時:2020年7月26日 17時

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