検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:17,633 hit

碧の諜報員 ページ3

 
 
 
 
 
 

フロイドを軽く追っ払ってからというもの、誰も私には近づいてこなくなった





彼があの時、料理の後のために手袋をしていなかったという偶然が良かったのだろう
無意識に、無防備に傷を見せる彼が歩き回り軽く説明するだけで誰も近寄ろうとは思わなくなった





まぁ元より誰かが近くにいた訳では無いのだが





兎に角、特訓なんぞと言って不参加を貫く私は心が落ち着くという理由で図書室に来ていた





退学してしまえば来られない事は確定だからとなるべく多く訪れているこの場所




今まで訪れた図書館などと比べて一番か?と聞かれれば答えはノーであるが雰囲気が好みであるのには間違いない




だって本がふよふよ浮いてたりとかひとつの階をわざわざ二つに分けたりとか色味とか香りとかその他諸々、どストライクってヤツだ




既に自分の中での最高は決まっているのだがここはその規模を縮小したような場所であるか凄く、.....良い、ぐっとくる




一人でぐっと拳を握りしめる、ただの変人としか言い様が無い人物である






と、その時
そんな変人に近寄るひとつの小さな影が





彼女は自分にしか聞こえない其の声に気がついてその方向に振り返り会話をする






『 お、見張りおつかれ。どうだった?演技派副寮長とその他大勢の様子は




___成程、堪忍袋の緒が切れるって感じかなぁ。最も、本当に寛容であったのかは分からないけれど




んで?その他大勢の一部は果てまでぶっ飛ばされて、その他大勢の大勢の方は寮で人形同然の模様




思っていたよりも魔力が豊かだったんだなぁ
彼らがどうやって戻ってくるかは知らないけれどそれ迄は持ちそうだね




......え?助けに行かないのか?って?
えぇ〜やだよ。だって怒らせる天才と呼ばれたこの私が行ったって逆効果じゃあないか?
誇ることでも無いしね、この呼ばれ方



......んんん、確かに、時間稼ぎにはなるだろうねぇ?でもその結果として悪化させるのは如何なものか....ん、ちょっと、今そんな事気にするタチかとか言ったでしょう?許さないよ?




でもまぁ、事実暇であるし、最後くらいは本音で話してみた方がきっとスッキリするよねぇ 』





そうフランクに話す彼女は凭れ掛かっていた椅子から立ち上がり、その小さな諜報員(ハムスター)を肩に乗せて鼻歌を歌いながらマイぺースに歩き出した







 
 
 
 
 

 

碧の雷→←碧の厄介者



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
183人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あしな | 作成日時:2020年7月26日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。