碧の諜報員 ページ3
フロイドを軽く追っ払ってからというもの、誰も私には近づいてこなくなった
彼があの時、料理の後のために手袋をしていなかったという偶然が良かったのだろう
無意識に、無防備に傷を見せる彼が歩き回り軽く説明するだけで誰も近寄ろうとは思わなくなった
まぁ元より誰かが近くにいた訳では無いのだが
兎に角、特訓なんぞと言って不参加を貫く私は心が落ち着くという理由で図書室に来ていた
退学してしまえば来られない事は確定だからとなるべく多く訪れているこの場所
今まで訪れた図書館などと比べて一番か?と聞かれれば答えはノーであるが雰囲気が好みであるのには間違いない
だって本がふよふよ浮いてたりとかひとつの階をわざわざ二つに分けたりとか色味とか香りとかその他諸々、どストライクってヤツだ
既に自分の中での最高は決まっているのだがここはその規模を縮小したような場所であるか凄く、.....良い、ぐっとくる
一人でぐっと拳を握りしめる、ただの変人としか言い様が無い人物である
と、その時
そんな変人に近寄るひとつの小さな影が
彼女は自分にしか聞こえない其の声に気がついてその方向に振り返り会話をする
『 お、見張りおつかれ。どうだった?演技派副寮長とその他大勢の様子は
___成程、堪忍袋の緒が切れるって感じかなぁ。最も、本当に寛容であったのかは分からないけれど
んで?その他大勢の一部は果てまでぶっ飛ばされて、その他大勢の大勢の方は寮で人形同然の模様
思っていたよりも魔力が豊かだったんだなぁ
彼らがどうやって戻ってくるかは知らないけれどそれ迄は持ちそうだね
......え?助けに行かないのか?って?
えぇ〜やだよ。だって怒らせる天才と呼ばれたこの私が行ったって逆効果じゃあないか?
誇ることでも無いしね、この呼ばれ方
......んんん、確かに、時間稼ぎにはなるだろうねぇ?でもその結果として悪化させるのは如何なものか....ん、ちょっと、今そんな事気にするタチかとか言ったでしょう?許さないよ?
でもまぁ、事実暇であるし、最後くらいは本音で話してみた方がきっとスッキリするよねぇ 』
そうフランクに話す彼女は凭れ掛かっていた椅子から立ち上がり、その小さな
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作者名:あしな | 作成日時:2020年7月26日 17時