嘘を破って【ツイステ】 (ページ15)

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碧の願いページ15

　
　
　

『つまりはまぁ、私は後悔してない
その選択を次の子に委ねる方がよっぽど辛いし

....君こそ私を恨んでないの？全部自分勝手に進めて、君の事全然考えてない方法なんだよ』

本当に辛そうに顔を歪めるAに今度はアリシアがきょとんとする

「何を恨むのですか？私は小さい頃、貴方に対して心無いことを口走ってしまった

なのにこんな私を助けるため、それだけの為に自身の命も人生もかけてくれた

謝らなければいけないのは私で、A様はなんにも悪くない」

拳を強く握り、震えて下を向く彼女
そんな顔して欲しくない

辛くて痛くて息も出来なくて死にたいって思ったり我慢しなきゃいけなかったり、色んな経験をしてきた

でもそれって何にもない普通でつまらない人生を過ごすよりずっとずっと幸せな事でもあるから

君がそう思ってくれて私の為に泣いてくれてる、それだけで十分報われるんだ

もう、いいかな
そう感じたから一歩、また一歩踏み出して自分の妹に駆け寄り背中に手を回し抱きしめる

そして彼女の耳元で一言、呟く
その言葉に驚いたアリシアは思わず姉を突き飛ばしてまたしても顔面蒼白でへたり込む

ゆるゆると首を横に振る妹に姉は優しく微笑む

『大丈夫、姉妹の魔法はふたつでひとつなんだ

相性が良く、合わさらなくては本来の威力が出ないにも関わらず先代達は心を合わせられなかった
だからこの苦しみが何百年も続いてる

シスターの呪縛から解放されるにはこれしかないし他の方法なんて無い

何の為に私が普通に過ごす道を選ばず厄介な武装集団に入ったと思ってるの？』

周囲は何の話をしてるのか、全くわからなくて
でもネロだけは分かっているのか目を瞑っている

『......君のこれまでの、そしてこれからの人生でたった一度、これっきりで構わないから

私を信じてほしい、お願いだ。』

「.....そんなの、ずるいです」

聞けないわけ無いじゃないですか、と涙を流しながら笑い弱々しく立ち上がり左腕を高く掲げる

「愚者を殺し賢者を殺し月をも破壊する力を」

「世の闇を滅し咎人を殺し闇に葬る光をこの手に」

あの人を殺すために、あの人達を守るために
しかし魔法は今その人を殺すために詠唱する

「今すべてを無に返そう.....おいで、『悪魔の弓矢(エンジェル・アロー)』」

眩しく輝くその光の矢は静かに確実に姉を貫いて天へと吸い込まれた

　
　
　
　
　