39.イタズラ5 ページ40
「なに？クロロ」
クロロは真顔でAを見つめる
それに対してAは困ったような笑みでクロロを見る
「どーしたの？？クロロ…？」
Aに名前を呼ばれてクロロはやっと口を開き始めた
「Aお前…本当は記憶があるんじゃないのか？」
「…え」
クロロの言葉にマチ、パク、フェイ、シャルが反応する
焦って冷や汗が止まらない。もしかしてさっきの会話が聞こえてた？
いや、クロロはあの声が聞こえるような距離にいなかったはず
じゃあなんで？ただの感？？
Aは普段使わない頭を次の言葉を探すためフル回転で活動させる
「お前やっぱり俺達のこと覚えているだろ」
「…なんでそう思うの？」
「…ただの感だ」
感かよっ！！！
「で答えはどうなんだ」
はあ…
「そうだよ。記憶はある。みんなの事も覚えてるよ」
「やはりな」
クロロは勝ち誇ったような顔でこちらを見てくる
「まだやりたい事いっぱいあったのに、クロロのせいで全然出来なくなっちゃったじゃん！！」
あぁあ。折角パクに秘密にしてもらってたのに速攻でバレた
「クロロ感で当てるとか恐ろしすぎ」
「…まあ感ともう1つ。Aがこの部屋に入った時真っ先にいつも座っているところに行っていたから不思議に思ったんだ」
「そうゆう事…」
本当に恐ろしい人だ。それだけで見破るなんて
Aは床に寝転び不貞腐れたような口調で言う
「で、私の体はいつ元に戻るの」
さっきまではまだこの体でもいいと思っていたが正体がバレてしまった以上もうこの体でいる意味がない
なんなら早く戻りたい
「そうだな。1番手っ取り早いのはやはり除念師を探すことか」
「…それしかないね」
「では、除念師を探す。それでいいか」
「うん。いいよ」
クロロと約束をしたあとはマチやシャルなど皆に問いただされた
そしてAは、ごめーんっと笑いながら答える
「A。ワタシに嘘ついてたか」
フェイがいつの間にか後ろに立っていた
蜘蛛の皆は気配を消すのが上手すぎて毎度驚かされる
それに今のフェイの顔は心做しかいつもより眉間にシワがよっていてなんと言うか、威圧が凄い
「いやね、フェイ。あれは仕方がなかったんだよ」
Aはドードーと手を出してフェイを落ち着かせようとした
「お前…ワタシを舐めてるか」
だがそれは逆効果。更にフェイの眉間は険しくなった
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作者名：てん | 作成日時：2021年8月28日 22時
