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「え、いや…、森本は?早く帰んなよ」
『んー、やっぱまだいいや』
そう言って開いていた傘を閉じて、私の隣に立つ。
「なんでよ、帰んなよ」
『やだよ』
「帰んなって」
『Aが帰るまで帰んない』
「なにそれ、意味わかんない」
『とか言って〜、本当は傘なくて帰れないんじゃないの?』
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図星。
絶対気づいてる、私が傘持ってないの。
分かっててこの感じ、ムカつく!!
「…そうだよ、だから帰れないの!」
自分が負けたみたいで悔しかったから、キレ気味に返事をしてやった。
『も〜、しょうがないから俺の隣入れてやんよ』
森本はまた傘を開いて、半分スペースを開けてくれる。
なんだかんだで優しいのもまたムカつくけど、案外嫌な奴じゃないのかも。
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「ありがと」
面と向かってはなんだか照れ臭くて、傘に入りながら曖昧にお礼を言った。
『え?なんて?雨で聞こえなかった〜』
森本は、こっちを見下ろしながら相変わらずニヤニヤしてる。
前言撤回、やっぱ嫌な奴!!
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作者名:s e n | 作成日時:2023年4月6日 14時