雷門の女神2 (ページ31)

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リードされた御影専農に、ベンチから攻め上がる指示が出された

フォワードの下鶴・山岸を中心に攻め込んでいく

ポジショニングがよく計算された、的確なパス回しだ

それならば、と海風が判断し叫んだ

『肉を切らせて骨を断つ方法!!』

そうしているうちに、御影専農はゴール前へ

雷門ディフェンス陣はついていけていないというよりも、守ろうとしていない

相手フォワードの下鶴がシュート体勢に入った

のりかのイレブンバンドにも、なんの指示は来ていなかった

のりかは前を見据えた

「監督の指示はないけど…。今こそ、あの特訓の成果を見せる!!」

のりかはある日の放課後、趙監督から旧部室前に呼び出されていた

「のりか君、あなたにやってもらうのはどうでもいい雑用などではありません」

趙監督は、「これです」と示した

そこには、木に登ってロープでタイヤを吊るす海風がいた

「海風さん、設置はどうですか？」

『よっと』

華麗に着地した海風は、『できましたよ』と帽子を被り直す

のりかは木の根元に立つ

『海腹、しっかりな』

そう声をかけた海風は、『フンッ！』とタイヤを押した

正面から受け止めようとするのりかだが、とても敵わない

ﾄﾞｶﾞｯ！

「きゃっ!!」

のりかは地面に叩きつけられた

『これ。止められれば合格だ』

と、海風は無茶を言う

「めっちゃくちゃ本格的じゃないですかっ！」

日和は特訓の差が気になっている

『これぐらいできてもらわないと、雷門のゴールは任せれないからな』

のりかは何度も叩きのめされ、そして何度も立ち上がった

明日人は見ていられなかった

「こんな特訓、ひどいです!!」

『……』

海風にそう言ったが、彼女はなびかない

「明日人、いいの…。私、やってみる！」

のりかの言葉に、海風はフッと笑みこぼした

特訓は何日も続いた