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75話 助けられた ページ6

なんとなく、どこか自分は人よりもおかしい立場の人間だと言うのはわかってた








生まれてきた環境も、育ってきた環境も、人との関係の環境も





なにもかもが、「普通」とはかけ離れていた気がしてた







それでも私を大切にしてくれる友達はいてくれてて






そのそばにいることが心地よくて












私は、そこを守りたくて仕方なくて








だから私は、それを脅かすモノや人を、傷つけようとしてた



















(私、一体…なにをしようとしてた?)














アッシュを助けたい


その気持ちに嘘はない




アッシュを助けることが、アッシュのそばにいることが私の命題で、絶対に曲げたくなくて、絶対に破りたくない約束で






だから守りたいって思って
















(あ、ヤバい…)
















これじゃ…















あの人たち(・・・・・)と同じだ



















「うぅ…」

「「!」」

「アッシュ!」

「気がついた?」

『…………』













横たわっていたアッシュのうめき声で意識が浮上する
















「どこだ、ここは…」

「閉鎖された地下鉄の駅だ」

「地下鉄…?」

「あぁ…起きるか?ちょっと待て」

「悪い、ショーター…」












ゆっくりとショーターの力を借りて身体を起こすアッシュに、「もしかして、目が見えないの?」と奥村さんが聞くと、アッシュは「ああ…」と疲弊した様子で答えた













「時間が経てば見えるようになる。それより、ここに長くいてら危険だ。早く地上へ…」

「まあ、待てよ。ここが1番安全だと踏んで準備したんだ。まずは一休みするこったぜ」

「そうだよ、アッシュ。服を着替えて何か食べた方がいい…歩ける?」

「…あぁ…英二、来瞳は」

「来瞳さんなら、そこに…あれ?」

「ん?来瞳?」



















『…………………』







トン、トン、と一歩一歩をゆっくりと前に動かして壁に背中を預けてズルズルと崩れ落ちる













何かを守るためなら、誰かを傷つけても構わない














それが、あの人たちと同じだった













『………どうしよう』














1番なりたくないと思ってた



なってはならないのに














私は


















『あの人たちのように、なりたくない…』

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2023年4月17日 8時

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