殺し屋のバレー II 【男主】

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旭さんがそのまま帰って行き、部活も程なく始まって、俺は外で1人レシーブや壁打ち、柔軟を念入りにする




オーバーもアンダーも、全部できるようにしておかないといざという時に動けないなんて恥ずかしいし…









「なー、暁」

『あ、はい』

「お前、レシーブのコツとかあるか？」

『レシーブのコツ、ですか…』

「おう。ブロックフォローとか
お前そう言うのできるだろ？この間、日向の乱れたのとってたし」

『あ、はい…レシーブは鍛えられましたけど…』

「コツ教えろ、コツ」

『えと、俺の場合は…』

「うんうん」









本気でコツを教えて欲しい顔で言われて、俺もたじろぎながらどう伝えればいいか考える









『俺の場合は、セッターとスパイカーをよく見てます…』

「ブロッカーじゃねえのか？」

『ブロッカーも見ます。けど、セッターがどの人にあげるかによって、次の動きが変わるんです』

「ほー！」

『たとえば、影山が日向にあげるとします』

「うんうん」

『じゃあ、そのトスの速さと長さ、それを見てブロッカーも見ます』

「同時進行ってやつか！」

『簡単に言えば…。それで、大事なのはブロッカーの手の向きです』

「手？」

『はい。月島みたいに背の高い人間のブロックフォローすっごい大変です
叩き落とされるの早いし…』

「だよな！」









けど、月島の場合…本気でやってないんだよな…









『下向きなら早めに動く、スパイカーにほんの少しでも手のひらが向いてたら、一歩を大きくして飛び込む…そのまま真っ正面の場合、後ろに大きく飛んでいく可能性もあるので気持ちほんの少し後ろめです』

「へぇ！お前、よく見てるんだな！」

『…まあ、俺にレシーブとブロック教えた人が本当に性格悪くて…俺のスパイク全部止めたり拾ったりして煽ってきたんで…』

「まじか！」

『多分、月島とかに絡みに行きたがると思います
世話焼きだし、いい人ですから』

「へー！」









長身でミドルブロッカー
それだけでも気に入りそうだし、しかも月島のキャラだ
いじれば味が出るって分かったら絶対弄る、わかる俺の全細胞がそう叫んでる









「おつかれさまーっ」

「集ごー…えっ!?」

「紹介します！今日からコーチをお願いする、烏養くんです！」

『あれ、あの人…』









坂ノ下の…









「彼はキミたちの先輩で、あの烏養監督のお孫さんです！」

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