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「もうせっかくだからこのまま遊ぶか」
「そうだね」
『え、でも…』
「また家戻って出るより楽だろ」
「アッシュもいいよね?」
「いいも何も、「いや」と言わせてくれるわけないだろ…お前ら」
『…………』
「なんだよ、アッシュ。嫌なのか?」
「別に…いやとは言ってないだろ」
ならいいじゃねぇか。と肩を組んでくるショーターに俺は「ったく」と小さく息を吐く
ブブッ
その時、転校生が待っていたスマホが音を立てた
要件を確認するためにタプタプと指を動かした転校生は、ほんの少し眉を下げた
「澪緒?」
『あ、なに?』
「誰からだったんだ?」
『あ、ただの広告のメールだよ』
「広告メールって」
「あぁ、迷惑メールでよく届くよね」
「ブロックすればいいだろ」
「何回しても送ってくるんだよ」
英二が歩き出すのと同時にまたスマホを見た転校生は、少し指を動かしたあとスマホをポケットに直した
「んじゃ、河原行くか。シンも呼ぼうぜ」
「じゃあ、河原で何する?」
「考えてないのかよ…」
澪緒side
「澪緒!!」
『シンくん』
「なんかいい匂いする!」
『犬かなにかかな?』
くんくんと匂いを嗅ぎ始めたシンくんは、「このバッグからだ」と指を刺した
もちろん、このバッグはさっきまでお弁当を入れていたものであって…中に何が入っているのかと聞かれると
「うわぁ!!」
『ホントは全部出すつもりだったんだけど…思いの外、多すぎちゃって…』
「これ、食っていい!?」
『うん』
「ショーター!英二!アッシュ!お前らも食おうぜ!」
「おぉ!うまそう!」
「わぁ!」
「へぇ」
『あ、口に合わなかったら無理しなくていいから!』
ご飯を手に取って食べていくみんなは、「美味しい」と言って次々食べていってくれる
「澪緒、食べないのか?」
『えっ、あ、食べる食べる』
「ボーッとしてると、シンが全部食っちまうってよ」
「なっ!俺はそんなに食い意地入ってないよ!!」
「どーだか」
「深谷さんにもらったお弁当、勢いよく食べてたもんね」
「あっ、あれは!う、うまかったし…」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時