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お昼ご飯を食べ終え、シンくんとショーター、奥村くんたちが遊んでいるのを私とアッシュくんは遠くから見守るようにいる
(気まずい…ッ)
なんのお話をすればいいのか全く分からず、無言を貫き通す私と、ぼーっと見つめているアッシュくん
何か共通の話題があればいいのだろうけど、お生憎私とアッシュくんはそこまで仲がよろしくない
というよりも、ちゃんと話したことなんてほとんどない
(何か話題…)
「なあ」
『はい!!』
「…アンタ、なんで転校してきたんだ?」
『え?』
アッシュくんが私を横目にそう聞いてきた
私はどう答えようか少し迷って
『お父さんが海外出張に行ってて、お母さんも転勤になったから少しでも職場に近いとこに行こうって言ってなったの』
「ふぅん?家族想いなんだな」
『そんなことないよ…ただ、そうしなきゃいけなかっただけだから』
「?仲悪いのか?」
「ううん。でも、家にほとんど帰ってこないの…
お父さんもお母さんも…』
「………」
『私達のためだから仕方ないで片付けちゃうけど、寂しいとは思わないよ』
「…ふーん」
(なんでいきなりそんなことを…)
視線を3人に戻したアッシュくんは、「英二、俺もやる」と言って向かって行ってしまった
(1人になっちゃった)
膝を抱えて4人をぼーっと見ることにした私は、そばにあったバレーボールを手に取り、ポンポンとアンダーでボールをあげる
「あ」
『?』
「姉ちゃん」
『紡宮。ロードワーク?』
「おう…姉ちゃんは何してんだ?」
『日向ぼっこ』
「…そっか。バレーボール持ってきてたのか?」
『うん』
「…………姉ちゃんは、バレーボールもサッカーも好きだよな」
『うん。お兄ちゃんと紡宮が好きなんだもん』
がさっと一歩踏み出し降りていく紡宮は、「バレー、付き合って」と私の手を引いて歩いていく
4人がいるところから少し遠い場所でポーン、ポーンとボールをあげる
「姉ちゃん、ボール使うの好きだよな」
『うん、好き』
「…サッカーは?」
『お兄ちゃんのシュートかっこいいよね』
「バレーボール」
『紡宮のプレイがかっこいい』
「………」
『え、なに』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時