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『ふあっ…』
「あ、起きた」
『あれ?』
「6時間目までぶっ通しで寝てたぞ、澪緒」
『ウソ!?』
ガタガタっと立ち上がった途端、机に置かれていたものがガサガサと落ちていく
「おいおい…少しは落ち着けよ」
『わああ、ごめん!』
ショーターと俺と転校生の3人で落としたものを拾っていくと、ペンケースから何か落ちた
「おい、落としたぞ」
『え?あっ』
「?」
『ありがとう、それ大事なの!』
俺の手からゆっくりと取ったそれは、オレンジとペールグリーンの桜を象ったストラップだった
『お兄ちゃんたちからもらった大事なものなの』
「そんなに大事なら、なんでちゃんとしまっとかないんだよ」
『ホントはペンケースにつけてたんだけど、紐が緩くなってきちゃって…それで、今はペンケースの中に入れてるの』
「フーン?」
「宝物ってやつか?」
『うん。大事な宝物だよ』
ニコッと笑ったそいつは、本当に女の子らしく可愛い笑顔だと思った
「澪緒、なんかスマホチカチカしてるぞ」
『…え?あ"』
「シスコンな兄貴からか?」
『あーははは』
否定しないってことはそう言うことだろうな
スマホを確認したあと、バタバタと慌ただしくカバンの中に荷物を詰め込んだ転校生は、『また明日!』と言って教室を出て行った
「なぁ、アッシュ」
「ん?」
「澪緒のこと気に入ったか?」
「別に…」
ショーターに聞かれて俺はプイッと顔を背けた
ほんの少し、ドキドキした
『お兄ちゃーん』
「あ、澪緒っ」
『ごめんね、寝てた』
「昨夜遅かったもんねー」
『たくさん寝たから寝れるかな…』
「紡宮と寝たらいいんじゃない?」
『そうしよっかな』
「あっ、お兄ちゃんも一緒にね!?」
『えぇ…お兄ちゃん、いつもテンション高くてうるさい』
「妹と寝るのにテンションあがらないお兄ちゃんはいないよっ!!」
『紡宮の布団に入ろう…』
「澪緒ちゃん!?」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時