5話 ゴールデンウィークの時間 ページ42
5月1日です
そう、ゴールデンウィーク突入です
「バレーボール!」
「サッカーに決まってんでしょ!」
『合宿で被った』
バレー部とサッカー部の部活はゴールデンウィーク初日の今日から合宿です
といっても、学校からほど近い合宿所にバレー部とサッカー部が合同で合宿をするらしい
まさに合理的だ
『ほら、2人とも合宿に遅れちゃうよ?』
「姉ちゃんも行こう」
「あ、抜け駆けずるい!! 俺だって一緒に行きたい!!」
『さっさと行く』
2人の背中を押して送り出す
ゴールデンウィークは本当にどこにも行かない。お兄ちゃんたちは部活だし、お母さんはお仕事、お父さんは出張、なので毎年のゴールデンウィークは必ず1人で過ごすと決まっているのだ
『暇だな〜』
ゴールデンウィークだからという理由で配られた宿題は、効率よく進めてもう終わっている
だから何もすることがない
パタパタと足を動かして時間を潰すけど、時計は全く動く気配がないほどゆっくりと針を動かしている
『…合宿、ついてけばよかったかな…』
ソファーの脇に置かれた小さなぬいぐるみを抱き上げる
口を尖らせてブスくれたカラスのぬいぐるみ
紡宮に似てるからと言う理由でお兄ちゃんが買ってきた
ちなみに、お兄ちゃんはウインクしてるカラス、私のはニコニコしてるカラス
リビングに必ずどこかにある私たちモチーフのぬいぐるみは、いつもテレビを見る時誰かのを抱えている
今は紡宮カラスの気分
ブブッ
『?』
テーブルに置いたスマホを紡宮カラスを抱っこしながら手に取り、画面に現れた文字を見て驚いた
『ショーター』
ショーター澪緒、今暇か?
ショーター暇なら近くの河原来いよ
短い文を送られてきて、なんでだろうという疑問を持ちながら返信をどうするか悩むと、すぐにまた新しいメッセージが届いた
ショーター英二とシンとアッシュもいるぜ!
いつものメンバーだとクスクスと笑いながら私はメッセージの返信を返すためにショーターとのトークを開いた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時