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「まあ、いい…深谷、席についてくれるか?」

『あ、はい』









自分の指定された席に向かい、席につけば前に座っていた男の子が振り向いた









「よっ。俺、ショーター・ウォン、よろしくな」

『深谷澪緒です、よろしくね。ショーターくん』

「ショーターでいいぜ」









にかりと笑った彼に小さく頷き、マックス先生がホームルームを始めた
簡単な連絡事項を済ませた後、1時間目の授業の準備を始めろと言い残して教室を出て行った





それと同時に、私の机の周りに人が集まってきた









「深谷さんって、どこから来たんだ?」

「彼氏いる?」

「連絡先交換しよう!」

『あ、うん、えーと』









息をする暇もなく、質問攻めに合う私に「お前ら落ち着けよ」とショーターが宥めてくれたおかげで、なんとかなった









『えっと…都内からだよ。彼氏はいないし、連絡先は是非交換したい』









丁寧に質問を返していくと、「そろそろチャイム鳴るぞ」という教科担当の先生が入ってきた
その声と同時にみんなが「またね」「えーちょっとぐらいいいじゃーん」と文句を言ったりしながら席に戻って行った




先生は新しくきた私に簡単に授業の内容を説明してくれた
幸い、この学校でやっている内容は前の学校では済ませた範囲だったからなんとかついていける程度ではあった






号令、出欠確認が始まり、先生は「またアッシュ・リンクスはいないのか」と頭を抱えていた
そういえば、私の隣の席は空席のままだ









『ね、ショーター』

「んあ?」









授業が始まり、先生の長い説明が始まった中、居眠りをしていたショーターを後ろから指でつついて呼び起こすと、「なんだ?」と小さな声で振り返って答えてくれた









『私の席の隣の人、どんな人なの?』

「アッシュか?そうだな、いい奴だぜ?まあ、喧嘩強いけどな」

『へぇ…』

「興味あるのか?」

『マックス先生も先生も名前呼んでたから』

「あぁ…ある意味問題児だもんな」









苦笑いしたショーターは、「まあ、いい奴だよ」と笑った

…怖い人ではないといいんだけどな…

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時

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