リンクスと私 (ページ3)

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0話初日の時間ページ3

さぁぁぁあっと吹き抜ける風が頬をくすぐった
目の前にいる金髪でグリーンアイを持った男の子を見て、息をするのも忘れた

とても綺麗な人だった

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

『あっ…遅刻!!』

桜の下で本を読んでいた人を見ていたのに気を取られすぎて、本鈴が鳴ったのに気づいた
本当に急がないと、初日に遅刻の印がついてしまう

慌ただしく下駄箱で靴を履き替え、職員室へ走った

コンコン、とノックをし『おはよう、ございます』と恐る恐る中に入って挨拶をすれば「おお、おはよう」と気のいい人が挨拶を返してくれた

「遅かったな。迷ったのか？」

『そんな感じ、です…』

「まあ、今日は大目に見るが…気をつけろよ？
俺はマックス・ロボ。お前のクラスの担任だ」

『深谷澪緒です、よろしくお願いします』

ぺこりと小さく頭を下げたあと、マックス先生は「おう、よろしくな」と笑って出欠簿を持って職員室を出る

その後を追いかけるようについていくと、「2-C」という教室に着いた

「んじゃ、声かけるまで待っといてくれ」

『はい』

教室に先に入っていくマックス先生を見て、扉の前で1人で黙って待つことに

「今日は転校生が来るのは知ってるな」

「マックス～転校生って女の子？」

「おー、喜べ女の子だ」

「「やったー！」」

喜びの声が聞こえて来るのと同時に「入ってきてくれ～」と言われた

ガラリと扉を開けて中に入る
好機の目を向けられながらも、マックス先生が立っているところまで歩いていく

「今日からこのクラスの一員になる、深谷だ」

『深谷澪緒です、よろしくお願いします』

マックス先生に挨拶した時のように小さく頭をさげれば、「よろしくー」「女の子ー」と声が上がっていく

「深谷の席は…窓際の1番後ろが空いてるな
って、アッシュは来てないのか」

「まだ来てないな」

「あのクソガキ…！」

アッシュ？って、誰だろう…
私の席の隣の人みたいだけど…