元殺し屋はヒーローになる14 (ページ10)

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101話張り巡らせろページ10

本土の病院に行かないと無理だと言うことは1番わかっているが、今の状況ではどうにもならない

「キミも、治療を」

『…………』

まだ眠る2人の額に指を当て、“個性”を使うか迷う
ここで使えば2人の体は一瞬にして治る
だけど体力は戻らない

『ふぅ…………』

焦りのせいで汗が滲む
その時「僕に手伝わせて」と言う声が聞こえてきた

『…活真』

「活真の“個性”は細胞の活性化らしいの
傷を治せるかどうか、わからないけど…」

「デク兄ちゃんたちは僕らを守って怪我したんだ。だから」

思わず前に出た活真の顔には強い意志が浮かんでいる
ありがたい申し出にこちらとしては、助かると言う言葉以外に浮かぶものはない

『頼む、かつ…ま』

「青子姉ちゃん!!」

2人の間に倒れ込み、意識が朦朧とする
痛みがじくじくと体を蝕み、汗がさらに滲む

くそ…血、流しすぎた

NOside

「……かわいそうなロゼリアちゃん…それもこれも、こんな世界を作り上げた人間のせい
そして………あの敵連合のせい

ああ、世の中は腐っているね…ああ、ナイン…赤い花をいつ咲かせるのかな？
ああ、楽しみだ…キミが死ぬところが見れるのを」

うっとりとした男は、夜空に煌めく星空を仰ぎ、那歩島を見つめている

「さあ、最後の足掻きだよ…ロゼリアちゃん
僕にもっと、面白い「夢」を見せておくれ」

男はそう言い、真っ赤に染め上がった折り鶴を取り出し、ぐしゃりと握り潰した

まるで、誰かの命を奪い取るかのように