桜蘭学園ホスト部の恋3 (ページ23)

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26話モリ先輩の災難ページ23

「「ようこそいらっしゃいませ!!」」

今日のホスト部は幕末コスプレです

『意外とお客さん、ウケてる』

「何言ってんの。基本中の基本デショ」

「幕末好きの女子は想像以上に多いんだよ
特に新撰組」

「その人気の理由が若くして国のために生き、信念のために散った気高さにあるのか
ひたすらに武士道を貫き自らを律したストイックさにあるのかそれとも」

｢｢ギムナジウム的な男子集団に禁断の香りを感じるのか…｣｣

『果てしなくどうでもいい』

かつらだけど、こんなに長い髪の毛、久しぶりかも…

「理央」

『おっ!?』

モリ先輩が手を引いてきて、途端に持っていた槍か何かを突いていた

「モリ先輩、どったの急に!?」

「モリ先輩も立派に俺の心の主要人物なので、どうかヤケになっては…」

「…違う。不法侵入者だ」

「あ"あ"!?」

どう見てもいかつい人がいた

「銛之塚…崇…!!」

モリ先輩に走ってくる男の人は、目の前で座り込んだ

「先輩…!! …弟子に…して下さい…」

腕に「我命有限銛之塚崇尊敬」と書かれていた

((一昔前のヤンキーか!!?))

「一年D組、笠野田律。関東圏のその筋で最大の力を持つ笠野田組3代目の跡取り息子
桜蘭には高等部より入学、特徴は赤いロン毛と凶悪顔、無口で友人もなし
目が合えば相手に3ヶ月は悪夢を見させ、肩がぶつかれば病院送り、口答えでもしようものなら墓場へ直行

クラスメイトには、人間ブリザードと恐れられている…と」

なんでそんな人がうちに…

「笠野田の…(ﾎﾞｿ」

「カサノバ？」

「違う、笠野田の…」

「ボサノバ？」

「笠野田っつってんだろう、死にてえのか!!」

ギッと睨んできたその人は、はっとして頭を抱えた

ボサノバ君の話を要約するとこうだ

彼は生まれつき目つきが極悪だった

それはそれは組の4代目となるにふさわしすぎるほどのビジュアルだった

「これは今世紀最大の頭となる器だ」

そう考えた父親は彼にその道の帝王教育を施し、見た目、言動ともに立派に恐ろしく育ってしまった彼には数々の伝説が捏造された