会いたくなかった�� ページ12
「私の事疑ってるの？」
「そんなつもりじゃあないんだ､ただ気になっただけ」
なんで私ことなんか気になるの？それって私を"愛してる"っ事と関係あるの？
「愛してるから､気になるんです」
真剣な目でジョルノが見つめる。口に出ていたみたい
「ジョルノは無駄が嫌いでしょ？それって無駄なことよ」
「…」
橋の上まで来ると私たちは足を止めた
「ほら太陽がナポリの風景と合っていてとても綺麗」
「…」
…っ､…
「ねぇ､ジョルノ」
「ジョルノが愛してる綺麗な私は､もうどこにも居ない」
「…それはどういうことですか…？」
Aの涙がキラリと光った
「だからもう､会えないの」
ジョルノは私に近づくと手を取った
「じゃあ､僕が今見てる､触れてる人は誰ですか？」
手の甲に口付けするジョルノ。貴方はとても綺麗
でも私は､私は─────
「ただの醜い､嘘だらけの
「じゃあ──」
「私､もう帰るね」
ジョルノがいい切る前に私は重たい足を動かし､そのままアジトまで帰った
部屋に戻ると､私は1冊の小さな本を手に取って､ページを捲った
"王子のことを愛しているの!"
美しい人魚姫が魔女に訴えかけている
"ならば､人間の足をやる。その代わり､お前の美しい声は一生出なくなる"
口の大きな醜い魔女がそう言うと人魚姫は契約書にサインをして､美しい声を魔女に奪われた
本を机に置くと､頭がボーッとし､上を向いた
そう､私は人魚姫になりたかった
嵐で溺れた王子を助けて､人間の足で王子と幸せに暮らす
でも私に王子は現れなかったし､それに反するように人を殺め､男で寂しさを埋める
人魚と私を比べたなら､月とすっぽん､豚に真珠
哀しい人生本末転倒､やり直したい
「おいA､！」
メローネが慌ただしくドアを開けた
「…どうしたのよメローネ､」
「来い､やばいことになった…」
「ジェラートが…窒息死ッ?!」
「あぁ､さっきホルマジオから電話がかかってきてな､部屋で
リーダーとギアッチョ､メローネと私だけの空間に重い空気が走る。ジェラートが…
「…ソルベはいなかったのかァ？」
「ソルベは未だ消息不明。でもジェラートがあぁなら…」
「…お前らも今は仕事にかかれ」
リゾットの声は､いつもよりも低かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：遊子 | 作成日時：2022年7月19日 0時
