いとこの話は知っている

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「私と歩凪は、この通り、性格が全然違うの。

だから、学校や秀明に行かれたら、いろんな

意味で大変だって思ったの。

それで私、急いで着替えて、家を飛び出して

きたのよ。

奈子は友達の家に遊びに行ってるみたいで、

家は無人だし・・・もうっ、歩凪ったら！」

「はーいごめんなさーい。」

反省の色ゼロの歩凪ちゃん。

アーヤはその態度に憤慨しまくり。

アーヤって、怒らせると怖いんだよなぁ。

「さっ、歩凪、帰るよ！」

「えーもぉ？

せっかくなんだから、秀明も行って

みたいにゃー。」

「ダメよ！

歩凪はマイペースでなんでもズバズバ

言っちゃうから、先生も困っちゃうでしょ！」

「あーそのへんは、ダイジョブっぽいよ？

ね、ツバサ？」

・・・ツバサ？

「ちょ、歩凪！

その呼び方はやめてよ！

ほとんど私の顔なんだから。」

「だって彩、クラスの人たち、みんなツバサ

って呼んでたよ？

私も別に、いいでしょ？」

「よくないってば！」

「いいよ。」

悪戯心を解除した俺。

だってさ、いまのアーヤをからかえば、絶対

可愛い。

歩凪ちゃんも、俺の意図に気付いたらしい。

フッと笑い、微かに頷いた。

「え、翼？」

戸惑うアーヤ。

「歩凪ちゃん、いいよ、ツバサで。」

「オッケー、ツバサ。」

このタイミングで、チラッとアーヤの反応を

確認。

思ったとおり、真っ赤な顔で、慌ててる。

ニヤリと笑った俺を見たアーヤ。

「・・・！

翼！

それに、歩凪も！

からかわないでってば・・・。」

うん、可愛い。

いつの間にか、頭痛は止んでいた。


(END)

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