いとこの話は知っている

６-９ side.アーヤ ページ38

「ただいまー！」

あっ よう君たちが帰ってきた！

ひなちゃんが、よう君に駆け寄る。

「おかえりなさい。

楽しかった？」

「メッチャ楽しかった！

ひなも来ればよかったのに。」

「ううん！

あのね、ひなね、おままごとすーっごい

楽しかったんだから！」

まぁ確かに楽しそうにしてた。

「おにーちゃんたちがね、バーベキュー一緒に

やってくれてね？

そのあと、絵本読んでくれたの！」

黒木君がおままごとをすごく盛り上げて

くれたの。

４歳児の扱いも、手慣れてるって感じ。

そのあとは、小塚君が解説しながら、お花が

核の ストーリーの絵本を読んでくれて、

ひなちゃん大満足。

「ようも、すっごかったんだぞ！

おにーさんたち、すっげーシュート、バンバン

うつんだ！

サッカー飽きたら、いろんなパフォーマンス

見せてくれてさ！」

話し込む２人。

「ねぇ、パフォーマンスって？」

翼に聴く。

「俺と若武のダンスとか、俺と若武のボールを

使った芸。

あとは、俺と若武の。」

「あの、翼、上杉君は、どうしたの？」

だって、俺と若武の しか言わないんだもの。

「それは、本人に 聴いて。」

翼が隣の上杉君の肩に 手を置いた。

上杉君が、ゲンナリした顔で、ため息を

吐いた。

「サッカーワンプレイで、ギブ。」

一言 言うと、グッタリと目を閉じた。

「・・・どういうこと？」

「ま、つまり、上杉先生の弱点の１つは、

子供ってこと。」

・・・？

なにそれ と口を開きかけたとき。

ピンポーン。

！ いま、５時だ！

「ひなちゃん、よう君、ママとパパ、

来たよ！」

ひなちゃんとよう君、それに、私の歓喜の

声が、響き渡った。


(END)

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