いとこの話は知っている

３-４ ページ15

・・・。

いったん自室に戻って、着てみたは いい

ものの。

これ、みんなに見せなきゃ、ダメ？

柄は、全体的に魔女チック。

色はアメジストっぽい紫でまとめられていて、

胸元に シフォン地の黒い大きなリボン。

ところどころにつけられた、金色のレース。

スカートは、膝上１０センチはありそう。

こんなに短いの、はいたことない・・・。

首には赤い大きめのチェックがはいった

チョーカー。

着けてね と書かれたカードも

あったんだけど、このチョーカー、金色の星の

ストーンがハデで、苦手・・・。

靴下は紫に黒い蜘蛛の巣柄。

靴は黒いエナメルの厚底ヒール。

そして、重要なのは、被るように言われた

フード。

三角形のそれには、同じ紫の猫耳が。

もうそれを見ただけで、イヤイヤメーターは

メモリを突き破ってMAX以上に。

もうこれ、イジメの域に達してるって〜！

と、コンコンとノックの音。

「彩おねーちゃん、着替え、終わった？」

「え・・・と、うん、まあ。」

「じゃ、出てきて見せてよ。」

・・・。

私は本を持って、ドアを開けた。

本は茶色く硬い表紙で、そこに金色の文字で

題名や著者名が書かれていて、とてもセンスが

よかった。

「わぁ！

おねーちゃん、やっぱりかーわいい！」

可愛い年下にそんなこと言われたら、かなり

傷つくんだけど・・・。

「おねーちゃん、早く お友達さんたちに

見せに行こうよ！」

やっぱり、下に行くの！

「や、やっぱり、無理！」

「なーに言ってるの！

お約束はお約束でしょ！

それに、その可愛い姿 見せないなんて、

もったいないよ。」

い、嫌味に聴こえる・・・。

「さっ、早く行こっ！」

良夢ちゃんは、案外力が強いの。

だから、４つ年上の私でも、引っ張って行く

ことが出てるんだ。

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