いとこの話は知っている

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「俺も！

俺も見る！」

「僕も見たいなぁ。

想像つかないもん。」

ちょっとちょっと、若武も小塚君も、

なに言ってるの！

「上杉は、見たくないの？」

翼が上杉君をニヤリと見た。

「・・・。」

「ほ、ほら、上杉君嫌がってるでしょ。

はい、この話は終。」

「いいぜ。」

・・・上杉君、あの、いまなんて？

「だからっ・・・着てみても、

いいってば・・・。」

・・・。

「はい、決定。

良夢ちゃん、アーヤサイズの、ある？」

翼にきかれた良夢ちゃん、コクリと頷き、

持ってきていたキャリーバックを引きずって

くる。

「彩おねーちゃん、今年も着るかなぁって

思って、持ってきました！」

うわぁ！

それは禁句・・・。

「良夢ちゃん。」

ほら、悪戯っ子が・・・。

「今年も って、それじゃあ 去年も一昨年も、

アーヤはロリータ着てるの？」

・・・良夢ちゃん、平然と頷かないで・・・。

「写真、ある？」

ちょっと、黒木君！

「ありますよー。」

良夢ちゃんも、勝手に話を進めない！

「あ、彩おねーちゃん、これが、今年のだよ。

去年は中学入学の年だったから、制服系にした

でしょ。

だから今年は ガラッと雰囲気を変えようと

思って、黒猫さん風 でセレクトしたの。」

ああ、これが嫌なのよ。

毎年ママが、良夢ちゃんに頼むの、ロリータ

持ってきて って。

子供の気持ちも考えないでお洋服を着せる

なんて、ママ 最悪。

「おねーちゃん、着てくるときは、フードを

被ってきて。

あと、この本を手に持ってきてね。

ちゃんと靴も入ってるから。」

はい、と 渡されたのは、白いモコモコの

大きなバック。

この中に、服やら靴やら小物やらが

入ってるの。

「じゃ、おねーちゃんのお友達さんたちは、

写真見ましょう！」

良夢ちゃんは、板チョコカバーのiPadをバック

から取り出していた。

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