いとこの話は知っている

１-１ KZ男子に恋敵現る！？ ページ1

秀明が終わって、みんなが家まで送ってくれる

ことになったの。

相変わらず 事件がない、目立ちたい とボヤく

若武。

それをみんなで笑っていると、あっという間に

私の家。

すぐ近くの角を曲がったときだった。

少し先の塀に、黒い格好をした、背の高そうな

(黒木君より少し低いくらい)人が、

凭れていたのを見つけた。

ちょっと怪しいというか、近寄り難い雰囲気

で、みんなは一気に警戒モードへ突入。

すると、その人が、近づいてきた。

さっきは暗くてよく見えなかったけど、

月明かりに照らされた その整った顔には、

見覚えがあった。

「久しぶり、彩。」

「あお！」

みんなが唖然とする中、１人あおの前に

飛び出した。

「いつ日本に帰ってきたの？」

「一昨日。

やっと時差ぼけがなおってきたとこ。」

「来るんなら、連絡くれればよかったのに。」

「いれといたよ、留守電に。

奈子が、彩に言っとくって、電話くれた

けど。」

「えっ 聴いてない！

もー奈子ったら！」

はぁ、と ため息を吐いた。

「ところで彩、この子たちは、誰なわけ？」

あおが、みんなを見渡した。

それで私は、みんな側を向きながら、あおの

前に立ち直したの。

するとみんなは ハッとして、ジロッとあおを

見た。

「塾の友達なの。

左から、小塚君、黒木君、上杉君、若武、

た・・・美門君。

みんな、この人は、尾崎葵。

私たちより１つ上、つまり中３で、いまは

シンガポールに住んでるの。」

「よろしく。」

あおが、私の右手首を掴んで、ヒラヒラと

振った。

「もおっ、あおったら、昔から性格

変わらないんだからっ。」

人で遊ぶのが好きなの。

なんていうか・・・若武と翼を合体させた

性格。

「アーヤ、その人と、どういう関係なの？」

小塚君が、心配そうに、私を見た。

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