六話 ページ7
『まぁ、ちょっとくらいはいっか。』
｢ほ、ほんとか！？｣
肩を勢いよく掴んでくる。
思わずぐぇっと声が出てしまう。
『お前だれ、高校は？学年、名前、ポジション』
私は不機嫌な表情を隠さずに彼に言う。
コイツは一体何者なのだ。昼ごはんでも見てない気がするし。
｢俺は、烏野高校一年、影山飛雄、セッターだ。お前のことはよく知ってる。｣
『かげやまとびお？なんか聞いたことあるなぁ。JOCの大会かな？宮城にすごいセッターがいるとかいないとか。』
ちなみにJOCとは中学生の大会である。県内のトップレベルの選手が集められそこでチームを作る。そして大阪に行って他の県と試合をするのだ。
私も一応選手だったのだが、チームメイトが宮城のセッターが気持ち悪いくらい正確だと言っていた気がする。
『お前なんで昼ごはんのときいなかったの』
影山｢…赤点とって、補習だった｣
『へぇ、お前馬鹿なんだ。バレー以外は頭空っぽそうだもんね』
影山｢うるせぇボケ！！！！！｣
セッターだと言うのに中々短気なようだ。
短気なセッターは嫌われるよ、という言葉は胸に秘めておく。
彼、影山くんはどうやら自分のトスを私に打って欲しいらしい。男子用のネットなのに私が打てると思っているのだろうか。
てっきり私はレシーブ練習でもすると思っていたのだが、影山くんは何故か興奮した様子でやる気満々だ。
『影山くんはさ、なんで私のこと知ってんの？』
影山｢お前のプレーに惚れた。それだけだ。｣
『私のバネにでしょ』
影山｢まぁ、高校に入って同じようなヤツと会えたけど。｣
『噂の変人コンビの片割れ？』
影山｢あぁ、そうだな｣
嬉しそうな顔をしている影山くんを見て、私も顔が緩んだ。
そんな私を見て、早くしろ、と影山くんは私を急かす。
投げられたボールを彼の頭上へ返す。長年染み付いてきたレシーブは綺麗に返った。
助走をとるために大きくひらく。
彼の手に収まったボールはふわりと弧を描く。
すごい、ここに来ればいいな、という所にピンポイントでそこにボールがある。
これが宮城の超人セッター。
綺麗なトスは自分にちゃんと決めろ、と言われているみたいで、少し力む。
烏野高校の選手たちはこのトスを毎回打たなければならないのか。
『(少しだけ、同情してあげる)』
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nonn - オチは、木兎さんだと思っていたので以外でした。木兎さんバージョンのオチも見たいと思いました。とても面白かったです。 (2022年2月9日 12時) (
レス) @page33 id: cfc7f8846a (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 奏音さん» 夜久さんのメイド服は世界を救います(真顔)面白いと言って貰えて嬉しいです！これからも恐らくダラダラと長く続く予定なので、付き合っていただけたらと思います！ (2020年5月15日 9時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
奏音 - 私まだ1しか読んでないのですが、もう、面白い以外の言葉が見つかりません！wなんか堤ちゃんの性格が面白くて好きですwwwあと、流石にやっくんのﾒｲﾄﾞ服はヤバいです…！ｸﾞﾍﾍﾍ←(((ｷﾓ これからも頑張ってください！応援してまーす！！ (2020年5月8日 23時) (レス) id: ea3d173ac1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 土の影さん» 土の影様が読んでくださっていたことに感激です！これからも面白いと思ってもらえる作品目指して頑張ります。コメントありがとうございます！！ (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
土の影(プロフ) - 続編出てる中こちらへのコメント失礼します！読んでいて楽しすぎて、すぐコメントしなくては…！と思いまして。本当に面白いです、これからも応援してます！更新頑張ってください！(^^) (2020年4月9日 10時) (レス) id: 71404c1896 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも | 作成日時：2020年3月21日 23時
