二十九話 ページ30
目の前で項垂れる彼女を自分のペンケースで軽く叩く。グェッと声を上げて不服そうな目で堤さんは俺を見つめた。
『赤葦さん鬼すぎる…6時間ぶっ通しとか。』
赤葦｢文句あるなら点数上げて。ほら、これは？｣
『1274年…』
赤葦｢それは文永の役、弘安の役は1281年だからね。じゃあはい、5ページ戻ってやり直し。｣
それもこれも彼女のためだというのに。文句が多すぎるのだ。ぷくぷくと頬を膨らませる彼女のほっぺたを両手で挟む。
堤A。
高校でバレーをやっている学生なら知らない人はいないのでは無いだろうか。
脅威のジャンプ力、リベロ顔負けのレシーブ、どんなときでも100％の力を出すメンタルの強さ。
ついた名前は｢高校バレー界に現れた問題児｣。
確かに目の前の彼女によく合っている。
本人はそう呼ばれるのが嫌らしいが、それに憧れる人も少なくない。
俺の従姉妹も彼女を目標としていると言っていた。
赤葦｢(普段の堤さんを見たら、幻滅するだろうけど)｣
彼女はバレー界だけではなく、学校でもちょっとした有名人だ。
よく学校の教師たちと鬼ごっこをしているのを見る。本人に聞けば、授業をしたくなかったので、職員室から先生たちが出られないようにガムテープで扉をガチガチに固めたらしい。
もちろんそれは部活の監督にも伝わったようで、隣のコートでワンマンをやっていたのを見たことがある。
木兎さんはそんな堤さんをカッコイイと言っていたが、俺には到底理解ができない。どっちも変人だからな。彼らの考えることは分からない。
『赤葦さん…木兎さんとデきてるってほんと？』
赤葦｢もう勉強教えないよ。｣
『ごめんなさーい』
ちなみに今回の勉強会は俺の家で開催している。
堤さんがエアコンがなきゃイヤだと駄々をこね、俺の家になったのだ。はじめは堤さんの家という案もあったが、さすがに女子の家に入るのには俺も勇気がいる。
あ、それから目の前の変人を襲うマニアックな趣味はないから安心して頂きたい。
『ねぇ、これ合ってる？』
上目遣いで口調を崩して言う彼女。
段々俺と接すのにも慣れてきたようで、たまにタメ口が混じる。
別に気にする訳では無いが。
赤葦｢合ってるよ。もう少し、頑張ろうね｣
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nonn - オチは、木兎さんだと思っていたので以外でした。木兎さんバージョンのオチも見たいと思いました。とても面白かったです。 (2022年2月9日 12時) (
レス) @page33 id: cfc7f8846a (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 奏音さん» 夜久さんのメイド服は世界を救います(真顔)面白いと言って貰えて嬉しいです！これからも恐らくダラダラと長く続く予定なので、付き合っていただけたらと思います！ (2020年5月15日 9時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
奏音 - 私まだ1しか読んでないのですが、もう、面白い以外の言葉が見つかりません！wなんか堤ちゃんの性格が面白くて好きですwwwあと、流石にやっくんのﾒｲﾄﾞ服はヤバいです…！ｸﾞﾍﾍﾍ←(((ｷﾓ これからも頑張ってください！応援してまーす！！ (2020年5月8日 23時) (レス) id: ea3d173ac1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 土の影さん» 土の影様が読んでくださっていたことに感激です！これからも面白いと思ってもらえる作品目指して頑張ります。コメントありがとうございます！！ (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
土の影(プロフ) - 続編出てる中こちらへのコメント失礼します！読んでいて楽しすぎて、すぐコメントしなくては…！と思いまして。本当に面白いです、これからも応援してます！更新頑張ってください！(^^) (2020年4月9日 10時) (レス) id: 71404c1896 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも | 作成日時：2020年3月21日 23時
