誰も知らない僕らの居場所。2

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3.
臣と一緒にサボるのも、最近は何とも思わなくなった。
それにテストはそこそこの点数が取れているし、学年2位をキープしている。
もちろん1位は、横を歩くイケメンこと臣。

「隆二、今から俺に誘拐されっけど大丈夫？」
「ごめん、それ聞いたら誘拐される気しないから黙って攫って」

臣のちょっと天然なところと、かけ離れた真面目な顔に笑いながらついていく。

午前中は人気が少ない通りに出たとき、そっと繋いだ手は離れなかった。
そのままずっと繋がっていられると思った。

その束の間。

「2人ともなーにいちゃいちゃしてんですかー？」

後ろから聞こえた声に慌てて振り向くと、そこには岩ちゃんがいた。
平日だというのに制服ではなく私服でうろつく岩ちゃんの側に、直人さんはいなかった。

いつものノリで直人さんは？と聞くと。

「…今日は、バイト昼も入ってるんで！」
「あー、そうだったんだ…会いたかったな」
「ですよね！俺も直人さん不足ですー」

そんな話をしていると岩ちゃんのスマホに連絡が入り、ちょっと用事が出来たと言ってすれ違って行った。

そんな後ろ姿を黙って見ている臣を急かして、連れ去ってもらった先は。

「俺ん家」

若干年季が入ったアパート…正直言うと。

「ボロいって思ったでしょ？」
「…ノーコメント」
「正直に言ってくれた方がよかった」

錆が目立ち始めた階段を登って1番奥。
そこが、臣が1人で暮らす家。
一応ポストに登坂、とは書いてあったけど新聞も取っていないのかティッシュやら広告が溜まっていた。

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