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「じゃあな、隆二」
「ん、送ってくれてありがと」

明日ね。
そう言って、別れた。
いつもの夜。

「ねぇ、隆二くん?」

横からの声に、思わず身構えた。
なにができるわけじゃないけど、危険だって思ってしまった。

「良かったね、やっと臣とくっついた?」
「すごい幸せって顔してるよ」

そこにいたのは。
不審者でもなんでもなかった。

「敬浩、さん…」
「びっくりさせないでくださいよ…」

久しぶりにみた敬浩さんは、いつもの甘いマスクで笑いかけてくる。
えくぼがチャームポイント、なんて自分で言ってるらしい。
たしかにかわいいけども。

「ごめんね、ちょっと待ち伏せしちゃった」

ニコニコ、と音がつきそうなくらい微笑みながら俺に近付いてくる。
俺は忘れてたんだ。
敬浩さんには注意しろと言ってくれた、皆の言葉を。

「随分、臣とラブラブみたいだね?」
「前会った時は、まだだったのに」
「やっぱり夏休みって、そーいうイベントだよね」

トン、と押し付けられた場所は冷たい壁。
前にもこんなこと、臣にされたけど。
比べ物にならない。

ー怖い。

「ねぇ、臣ともうシた?」
「…え、…?」

「まだ?じゃあキスぐらいしたよね?」
「大事にされてんじゃん、」

目が笑ってない。
笑顔を向けられているのに、表情がわからない。

「あ、の…」
「早く臣に食べられなよ」

「最初だけは臣に譲ってあげる、って言っておいて」

またね。
言い残した言葉の意味はわからないけど。
怖くてその場にしゃがみ込んだ。
手が震えて臣の名前を呼び出せない。

ただ話しかけられただけ。
それだけなのに。
怖くて足が震える。
立ち上がれない。

やっと通じた電話の先で、臣は俺の震える声を聞いた。

「おみ、どうしよ、」
「敬浩さん、が。うちに来た…」
「なんか…っ、怖い…!やだ、臣たすけて」

1人だと、さっきの敬浩さんの冷たさが染み込んでくるみたい。
体が冷たくなっていく。

「臣…っ、」

すぐ行く、と言って電話は切れた。
そしてその通り、ものの数分で臣のバイクの音がした。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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おりう - それも楽しみです。 (2017年9月15日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» もうこれからの目標としては直人さんに早くたかのりって呼ばせたいです (2017年9月10日 21時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - たかのりー!平和を願ってます。応援しています。 (2017年9月10日 20時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 平和的解決できるでしょうか…頑張ります (2017年9月7日 7時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 信じてます。二人の幸せも信じてます! (2017年9月7日 6時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年6月1日 20時

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