誰も知らない僕らの居場所。2

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3.

「…邪魔された」
「そんなしょんぼりすんな、またチャンスあるって」

ぽんぽん、と撫でてくれる臣。
チャンス、かぁ…。
今の、結構良かったと思うのに。
もう少しで落ちたのに。

「臣のことなのに」

なんて言えば、臣はまた目をそらす。
耳、少し赤いよ。

でも。
手は出さなかったよね。
俺がどんなに揺さぶっても。

「臣、」
「あのさ隆二」

「焦らなくても、いいよ」

「俺が、チキンなだけだから」
「隆二のこと、まだ優しく抱けるところまで俺ができてなくて、怖いだけ」

そう言って握った俺の手は、臣の震えを感じ取った。
いつもより強くぎゅっと握られた手が。
臣の覚悟を教えてくれた。

「俺隆二のこと、本当に好きだから」

「大事にしたいの」

「怖いとか痛いとか、そーいうの思わせたくない」

だから今はこれだけね。
と言った臣は唐突に、触れるだけのキスをしてきた。

肌寒い、秋の夜の海。
臣のバイクの後ろにも、もう慣れた。
それに臣はあんまり乗らなくなった。
ー多分、俺を思って。

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