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「隆二!」
「ごめん、遅くなった…」
「とりあえず中、入ろう?」

俺を立ち上がらせて、支えながらドアを開ける臣。
鍵を渡したとき、俺の手が震えていたことにも気づいているけど何も言わない臣。

「…っ、臣」
「どした」
「俺っ…怖い」

つい頼ってしまう。
頼れる人なんて居なかったから。
恋人に、甘えてもいいかな。

「俺怖いよ、敬浩さんが…」
「ねぇ、早く食べられなよってどういう意味?」
「最初だけは臣に譲ってあげる、って何?」

電気もつけてない部屋で、臣と2人きり。
温かさだけで判断しなきゃならない。
臣は俺をしっかり抱きしめて、落ち着かせてくれる。
こんなに安心できる場所、他にあるかなぁ。

「なんで、敬浩さん俺らが付き合ってるって知ってるんだろうね」

落ち着いた頃、臣が呟いた言葉。
俺は臣が淹れてくれたコーヒーをちょっとずつ飲んでいた。
…苦い。

「わかんない、あとミルクと砂糖入れて欲しかった。2段目の棚」
「はは、ごめんごめん。これ?」

台所の電気だけで探って、笑いながら俺にミルクと砂糖を渡してくる臣はブラックのままだった。

「俺、言ってないよ」
「俺も言ってない」

お互いを疑ってるわけじゃない。
お互いが伝えた相手を疑ってるんだ。
そして俺たちが伝えた相手っていえば。

「岩ちゃんじゃ、ないよね…?」
「…当たり前だろ…、あいつに限って言うかよ」

直人さんとの件もあるんだよ。
岩ちゃんな訳がない。
そう言っても、どこかに残っていた。
俺は、俺たちはどこで間違えた?

ー岩ちゃんじゃないって、言って?

「…やめよっか、変なこと考えるの」
「だな、」

そして心の隅に追いやった疑問の次に俺の中に出てくるのは。
さっきの、動揺した臣。

「そういえばさ、臣?」
「今なら、邪魔いないね」

「さっきの続き、していい?」

さっき、と言った途端臣は目を伏せた。
俺は、焦ってるわけじゃない。
早く臣が欲しいだけ。
臣の全部で、俺を愛して欲しいだけ。

「あのさ隆二」
「俺今も、結構やばいわけ」

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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おりう - それも楽しみです。 (2017年9月15日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» もうこれからの目標としては直人さんに早くたかのりって呼ばせたいです (2017年9月10日 21時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - たかのりー!平和を願ってます。応援しています。 (2017年9月10日 20時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 平和的解決できるでしょうか…頑張ります (2017年9月7日 7時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 信じてます。二人の幸せも信じてます! (2017年9月7日 6時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年6月1日 20時

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