三 ページ3
灰崎side
今日は学校の授業にまともに集中することも出来ねぇ。いつもならここまで酷くないんだけどな。
でも、今日は色々普通じゃない気がしてならねえんだ。まるで今日がどうしても来て欲しくなかった日のような、ずっと待っていた素晴らしい日のような。
今日の授業が終わったが、さすがに今日は練習に参加する気にはなれず、そのまま帰ろうとした。
水神矢「待て灰崎！どこに行く！」
やっぱり止めに来たか。だが、今日はどうしても参加したくねぇんだ。
灰崎「今日は無理だ。」
そう言って俺は帰ろうとしたが、水神矢は俺の腕を掴み、帰るのを許さない。
水神矢「待て！」
本当に勘弁してくれよ。今日は本当に帰りたいんだ。
灰崎「離せ。」
だが、やはり水神矢は俺の腕を話さず、そのまま俺を部室に連れていった。
水神矢がドアノブを開けて部室に入ると、俺は思ってもいなかった事が起こった。
水神矢「灰崎。」
「「「お誕生日おめでとう！」」」
灰崎「えっ･･･」
俺は言葉を失った。サッカー部員全員に、わざわざ鬼道までもが部室で俺の誕生日を祝った。
水神矢「お前、今日誕生日だっだろ？」
すっかり忘れていた。もしかしたから今日、ずっとこの日が特別に思えてたのは誕生日ということが原因だったのかも知れない。
鬼道「久しぶりだな。はいざ･･･お前･･･」
水神矢「これは･･･」
天野「どうしたんだ？」
何故かいきなり、その場に居た全員が目を丸くして驚いたように俺を見ていた。
灰崎「何がだ？」
水神矢「お前･･･泣いてるぞ･･･」
灰崎「えっ？」
自分の頬に触れると確かにその頬は濡れていた。俺の目からは、止まることなく涙が流れ続けていた。
何故俺は泣いている？皆が俺を祝ってくれて嬉しいからか？鬼道と久しぶりに会って感動したからか？いや、違う。
聖也「本当にどうしたの？」
俺にそんなこと分かるかよ。どうしても涙が止まらず、その場は気まずい府陰気になる。
？？「ルナ･･･」
沈黙の中、誰かの声が聞こえた。
灰崎「誰だ！」
しかし、その声はもう聞こえない。
確かに聞こえたんだ。男の人の･･･まるで夢に出てきた･･･
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作者名：月 | 作成日時：2019年12月20日 14時
