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そういう事だってある ページ41

___その事件はある日突然起きた



彼らはこれからの防衛任務の打ち合わせをするために隊室に集まり、会議に出席中の隊長を待とうとした。

いつも通りのどこか締りの無い空気の中、隊員4人がトリガーを起動した時の事、




「「「「…………え?」」」」




たった1人を除く4名の声が見事に重なる。

それもそのはず。





ほんの一瞬前まで眠そうに会話をしていた愛し子が消え、そこにいたのは____




古 「こ、子ども……?」




黒髪にぱっちりお目目の幼児だった。



米 「は?え?Aは?」

古 「ついさっきまでそこに居たはずですが…」

月 「…Aちゃん?」



怪奇現象発生の場に居合わせてしまった4名は恐怖心に駆られながら辺りを見回す。

けれど、
どれだけ見回したって彼女の姿は見つからない。

目に入ってくるのは不思議そうに首を傾げながら自分たちを見つめる幼女だけ。




『…わたし、こっ、こ』

米 「……は?」

月 「ちょっと待って。まさか貴女、___Aちゃん?」



呂律が回っていないながらに、必死に自分の存在を主張する幼女に違和感を覚えたAの姐兼オペレーターの月見

誰もが月見の質問が的外れの物であって欲しいと願うが




……現実はそうはいかないらしい




『うん!!』

米 「……へ?」







「「「「えーー!?!?!?」」」」





ニッコリと笑いながら首を大きく縦に振ってしまった女の子に割れんばかりの悲鳴と驚嘆が響く



あまりにも常軌を逸した怪奇現象に全員が鳥肌を立たせたその時だった。







サッと機械的に開いた扉から
それはまぁ何とも不機嫌そうに顔を歪めた黒髪の少年が登場した




秀「うるさいぞ」



そう。彼こそ恐怖現象が起きてしまったこの場の主であり、隊長の三輪秀次である。


その彼の登場に一同は安心したのか、更に焦ったのか語彙力が消えただひたすらに“…この子!”を連呼する。




秀「チッ、なんだ一体、……ガキ、?まさか蓮さん、あんた隠し子がっ」

月「違うわ。止めて頂戴生々しい。この子Aちゃん!」

秀「は?」




想定の遥右上を行く回答に彼の思考は完全に停止した。


だって
彼の愛する福地Aは同じ高校2年生で、
数時間前まで大好きな優しい笑みを浮かべていた人物で、


幼児ではない




秀「冗談も程々に___」

『…じ?しゅーじ!!!』





とたとたと短い足で彼の元まで駆け寄る幼女はこう言うのだ。






『しゅーじ!しゅき!』

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作者名:八月蝶 | 作成日時:2023年3月16日 16時

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