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秀次は体勢を立て直しなが、ポツポツと小さな声で話し出す
秀 「……お前だって片桐からパーカー借りていただろ。俺が貸したのに」
『そしたら秀次のが無くなる』
秀 「お前のためにもう1着持ってる」
『嘘でしょ!?』
ことによると私が体型を気にしているのを察していたらしく、心配だからと予備で持ってきてくれていたそう。
それでいざ貸そうとしたら私が既に別のパーカーを着ていた、と
秀 「……嬉しそうに匂いまで嗅ぎやがって」
『……匂い?』
いや確かに片桐からパーカーは借りたが匂いを堪能した記憶はない
秀 「…かき氷」
……かき氷?
もしやあれか?
片桐に暑くないのか聞かれてぶかぶかの袖を口元に当てた時、?
『いや嗅いでない』
秀 「嘘をつくな」
『ほんとに!男の人で匂い嗅いだことあるの秀次だけ』
……結構やばい発言したな私。
いやでも本当に勝手に匂いを堪能してご満悦状態になるのは三輪秀次を相手した時だけ。誓って例外はない。
____さっきから発言が危ないな
秀 「……なら、上がったら俺のパーカー着てろ」
『……いいの?』
秀 「あぁ」
それは大変ありがたい
……でも秀次の服着たら、
『寝そう』
秀 「眠くなったら言え。膝は貸す」
『じゃあ借りる』
秀 「……戻るぞ」
機嫌が戻ったらしい秀次は足がつく所まで私を運び、途中からは歩いて2人で浜辺まで戻ろうとしたが、急に足を止める。
秀「先戻ってろ」
『なん____帰りまーす』
なんで?と聞こうとして振り返ると視界の脇に鬼の形相をした3名___出水・片桐・奈良坂が揃っていたので慌ててその場を後にした
綾 「あ、おかえりなさい!」
仁「お前水着も紫かよ!!」
『愛国心ならぬ愛隊心?……そう言う光も黒じゃん』
仁「まぁな!」
結は白だし
やっぱり皆隊長愛と言うものが備わってるんだ。
佐「なんだっけ、馬鹿にも衣装?」
『馬子な』
……こいつは登場早々失礼な。
佐「似合ってんじゃん」
『どーも』
褒めてもなんも出ないのにね?
佐「……再来週の土曜、夏祭りあるだろ」
『あるね』
佐「……一緒に行く?」
『……は?』
え、は?
『彼女さんは?』
佐「いない」
『あぁそう……要検討で』
佐「ん」
そうして日が沈むまで皆ではしゃぎ倒した夏のある日。
それでも夏は終わらない____かもしれない
肝試し?
夏祭り?
どうだろうね?
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作者名:八月蝶 | 作成日時:2023年3月16日 16時