(後日) ページ5
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迅 「……だからってさ〜普通生身でコップ壊す?」
生 「弓場ちゃん以上にゴリラやんなぁ、」
弓 「おい生駒ァ……」
柿 「よせよ2人とも……」
あの後医務室で処置して貰った結果、しばらくの包帯が手に巻かれる事に
トリオン体でいる事が多いため、何か特別不便があるかと聞かれれば特にない
ただ、やっぱり生身の時に手のひらに包帯を巻き付けた状態ではどうしたって目立ってしまう
それが影響を及ぼし、同い年___つまり19歳組の奴らにバレてしまったのだ
生駒の“その手どないしたん!?(大声)”に始まり、柿崎や弓場に心配され事情を聞かれたため、
彼らには“Aが広報を抜けた事で仕事が増え、溜まっていたストレスで割ってしまった”と話した。
まぁ、
「(……迅は気づいているか)」
と言うかどこかで絶対視えていたはずだ。
彼女が俺の元から離れる未来を。
しかしあいつはその未来を俺には教えてくれなかった
Aは三輪の元に居るべきだと判断した。
或いは
三輪をAから離すべきでは無いと判断した
どちらにせよ最悪だ
柿 「……しかし、福地が広報抜けるとはな。出来た穴はデカいぞ」
弓 「俺ァ広報の事はよく知らねぇがァ、嵐山ももう1人ぐれぇ隊員増やした方がいいんじゃねぇのかァ?」
心配してくれているんだろう。
特に柿崎は俺の隊にいた頃に広報の経験をしているから彼女がどれほど重要なポジションにいたのかも、抜けることの大きさも分かっている
……けど。
“もう1人”を実現するなら彼女が良かったと思ってしまう
迅 「……まぁそこは大丈夫だよ。嵐山の元には優秀な人材が届くからさ」
「何を根拠に、」
迅 「俺のサイドエフェクトがそう言_____」
『弓場さぁぁあん!!!』
迅がドヤ顔で決め台詞を言おうとした瞬間だった。
天使の様な声が聞こえたのは
弓 「おう福地ィ、威勢がいいなァ」
生 「エ。何で弓場ちゃんなん?“イコさぁぁあん!!!”やないん!?」
迅 「ちょっとAちゃん、俺今キメようと___」
『あ、嵐山さんこんにちは〜』
迅 「無視しないで!?」
どうしてだろう
あれだけ暗かった心が晴れ渡る
2つ上の俺たちを全く怖がらないどころか1番怖い弓場に突っ込んでいくその愛嬌に心が諭される
『……あ、そうだ。
嵐山さんお怪我大丈夫ですか?』
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作者名:八月蝶 | 作成日時:2023年3月16日 16時