三輪隊の6人目__SideStory2 (ページ39)

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私が脳内をグルグルさせている時でさえ会話(こうしょう)は続いていたらしい。

透に離された腕が今度は秀次によって掴まれる。

そのまま砂浜を歩き、集団から少し離れた波打ち際まで来ると不意に足を止めてこちらを振り返る

秀｢……入りたくはないだろ｣

『……ナンパされるぐらいなら入るけど、』

秀｢……ならパーカーは脱いでおけ｣

…あー

まー、

うーん。

秀次は気にしないか。気にしないよね。ならいいか(？)

我が隊長が私の体型を気にしないでくれる事をひたすら願って借りたパーカーを脱ぎ、濡れない場所に置く

波打ち際に戻ると極力こちらを見ないようにしている秀次に再び腕を引かれ、足を海に浸からせる

そのまま無言でただ私を海に連れ込んでいく秀次は一体何をしたいのか、＿＿＿＿

…ん？

あれ

『ちょっと待って！まってまってまって！！！』

深く考えずについて行ってしまったが、気づくと足が地面から離れ、一瞬にして溺れる未来像が頭を埋め尽くす

別にカナヅチな訳では無い。けど足がつかないのは怖い

焦って近くの高いもの＿＿＿＿秀次の肩に掴まると待っていましたと言わんばかりに一気に身体を寄せられて所謂お姫様抱っこ状態に

『……狙ったな』

秀｢逃げられると困るからな｣

と全く詫びる気のない隊長。

……いや、本来謝るべきは私か、？

『……すみませんでした』

秀｢それは何に対しての謝罪だ？

……海で合流してから目を合わせなかった事か？それとも合っても見て見ぬふりした事か？或いは声すらかけようとしなかった事かもな。｣

『罪状多くない？』

秀｢全部説明してもらうぞ｣

そう言った秀次の目はさながら獲物を狙う蛇の様で白状するしかないことを察する

『……だったから』

秀｢は？｣

『……なんか嫌だったの！』

秀｢……は？｣

もうやけくそだ。

全部言ってしまえ

『秀次意外と腹筋割れてて身体しっかりしてるし！肌白いし！元から顔立ち整ってるし！濡れて髪かきあげたら女の人たちが顔赤くしてたし！！』

それでもって私も変な気分になるし

見ていられなかった

『ねぇなんで落とそうとするの！？』

秀｢……あぁ悪い｣

『思ってないよね！？』

なぜここまでバカ正直に離したのに三途の川送りにされなければいけないんだ。解せぬ。

秀｢気が緩んだだけだ。落とすつもりはない｣

『……そうですか』