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それから2人で雑談しながらかき氷を食べ、砂浜を散歩した後、近くにあったプールに足だけ浸かると言うほのぼのとした時間を過ごした。
で、また皆のいる海辺へ帰ってきたらこれだ。
ナンパ。
私じゃない。
綾辻さんと結束さん。
おそらく集団とすこぉぉおし離れた隙に声をかけられてしまったんだろう。
2人とも可愛いし、何より海ってそう言う所だからさ。
『……行ってきな？』
片「……は？」
『彼氏役』
片「……え？」
今すぐに私が駆けつけてあげたい所だがそれは火に油を注ぐだけ。きっと“お姉さんも一緒？”で巻き添い食らって終了だ。
こう言う時は“彼氏がいるんでごめんなさい”作戦が1番効く。と勝手に思ってる。
幸いな事に少し遠方から正義感の塊・佐伯竜司がやってくるのが見えるし、あとは片桐が“彼女なんで”と言えば万事解決する
片「……俺がここで向こうに行ったらAがナンパされないか？」
『大丈夫大丈夫。分かれたら海で浮遊してる人達と一旦合流するから』
それより何より今は大事な幼馴染み兼オペレーターの結を助けてあげて欲しい
片「……気をつけるんだよ？」
そう言った渋々と言わんばかりの表情で、心底心配そうな様子。
大丈夫。ここから皆の所まで50mも無いし、私に声をかける人なんて、
「君1人？」
＿＿＿＿＿おかしいな私まだ7歩しか歩いてない。
全然1人じゃないです。後14人います。
「良かったら俺らと遊ばない？」
声をかけてきたのは恐らく大学生らしき日焼けしたチャラチャラした2人組。
……これから皆と遊ぼうとしてたんだけどなぁ
「え、君彼氏とかは？いないなら遊ぼうよ」
「ほんとマジ可愛い」
はは、と苦笑いしながらニワトリの様に頭を下げて先へ急ごうとするも中々解放してくれない。
しつこい。
そして邪魔。
何なら声も気持ち悪い。
今猛暑で暑いはずなのに悪寒で寒い。
……あぁ、2分前の私はなんて言ったけ？
こう言う時は“彼氏がいるんでごめんなさい”作戦が1番効くんだっけ？
『……あの、私彼氏いるんで』
「え〜今ここいる？居なきゃへーきへーき」
『残念ながらいますね』
いないけど。彼氏なんて存在さえしないけど。
……でも
調子乗ってるこの男の人達は1回現実を見て地に足を付けた方がいい
そう思いながら私は30メール程先のボーダー集団に向かって手招きしながら叫んだ
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作者名：八月蝶 | 作成日時：2023年3月16日 16時
