第十二話 緑の本 ページ15
ぎゅっ……
「はっ?」
私には今の状況が全くつかめない。
目の前には桂の胸板。
背中に回された腕。
そしてほのかに香る桂の匂い。
私、桂に抱きしめられているのか。
桂「急にいなくなるから、ずっと探していたんだぞ。こんなところにいて。会いたかった」
凄く悲しそうな、寂しそうな表情をする桂。
何故こんなことになっているかは知らないが、私、心配されてるのか?
桂「俺はてっきりAのことだから悪いやつらに連れていかれたのかと……」
「プッ!アハハハハ!!もう、桂ときたら昔から変わってないな。心配症なところ」
最初はこんな笑うはずじゃなかったのだが。
私が笑うのを見て、桂の表情も少し和らいだ気がした。
「でも何故だ?お前は斬られたはずじゃ?どうしてここに?」
桂「このようにな未練があったものでな。よみがえってきたのさ。かつての仲間に斬られたとなっては、死んでも死にきれぬというもの。なぁ、高杉。お前もそうだろ」
半分晋助に話しかけたように答える桂。
高杉の方へ向き直ったため、自然と背中にあった腕がほどかれた。
晋助「くくっ仲間ねぇ。まだそう思ってくれていたとは、ありがた迷惑な話だ。それと、Aは俺のだ。気安く触るんじゃねえ」
晋助はちょうど腹の辺りにあった松陽先生の寺小屋の頃の緑の本のおかげでそこまで傷は深くないようだった。
桂「まだそんな物を持っていたとは、お互いバカらしい」
桂の手には、緑の本が握られていた。
桂もあの本のおかげで命をもらったのか。
2人ともまだそんな物を持っていたとは驚きだ。
晋助「お前もそいつのおかげで紅桜から守られたってわけか。思い出は大切にするもんだねぇ」
ギクリ……
そう言えば、私のはどこにいったことか。
あとで探しておこう。
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KIYO(プロフ) - アイウエオさん» ありがとうございます!大感謝です。今はまだ無理そうですが更新がんばります! (2015年11月9日 21時) (レス) id: 258f54b3b7 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオ - KIYOさんの作った作品はとてもおもしろいです。続きを楽しみに待っています! (2015年11月9日 21時) (レス) id: f3fcac6a99 (このIDを非表示/違反報告)
KIYO(プロフ) - 〜kaori様、紀香様へ〜この度は、私のせいでを読んでくださり、ありがとうございました。御二人とも続きを待ってくれるようで嬉しいです。最近、学校や部活の忙しさがあり、中々更新することができませんが、今後ともこの作品をよろしくお願いします。 (2015年11月1日 21時) (レス) id: 258f54b3b7 (このIDを非表示/違反報告)
紀香 - 続きを楽しみにしてます〜 (2015年11月1日 16時) (レス) id: e65e4d3f67 (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 面白かったです。続きが気になります!! (2015年11月1日 15時) (レス) id: 3cc7ab27d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KIYO | 作成日時:2015年9月14日 11時