俺に落ちるまで 【及川 徹】

13話 ページ14

俺も行ってみよーと軽い感じであの女の子の元へと駆け寄った


花｢俺は花巻貴大でーす。よろしくね〜。あ、俺及川より優良物件だから来る時は遠慮なく｣

松川に続き俺も一応自己紹介的なやつをやった。その女の子の名前は、望月Aちゃんと言うらしい
まぁ、近くで見ると可愛いとか思った。目だけしか出てねぇけど二重で透き通った目の色をしているその女の子のマスクを外した姿が見てみてぇと思っちまった

最後の優良物件の方は松川同様スルーされた…
ずっと気になってたんだが、Aちゃんの隣にいた女の子にめっちゃ俺睨まれてんだけど笑

俺もその子を上から見下すように笑顔で見ると何故か威嚇体勢を取られ、ちっと舌打ちをされたような気がしたのはそっと俺の胸に閉まっておこうと思った

あれはツンデレなんだとそう言い聞かせた…






あ｢ごめんね、付き合わせちゃって｣

ギャラリーに移動した私と花菜は空いている席に座ってバレーの練習をみさせてもらった。


花｢大丈夫だって、私も見たかったし｣

あ｢そっか、ならいいんだけど｣


その後は対人パス、サーブ練習、スパイク打ちなど様々な練習をみさせてもらった。及川さんがいちいちこちらを見てはウィンクをしたり、手を振ったりするからギャラリーにいる女の子達の黄色い声は止まらなかった

花｢見んじゃねぇよ｣

あ｢…｣

花菜は嫌そうな顔をして見ているけどバレーの練習を見ている時はとても愉しそうに見ていた。花菜と中学の時一緒にやっていた時も今みたいな顔をして楽しそうにバレーに励んでいた事を思い出す

そんな姿にふふっと笑ってしまった


あ｢いいなぁ｣

花｢え？｣

あ｢あ、いや、ごめん。何でもない｣

花｢いいなぁって、何がいいの？｣

ずいっと顔を寄せられて言えよと言う顔をしている花菜が恐ろしくとりあえず思ったことを話した



あ｢私もあんな風にバレーやってたのかな…って思っただけ｣

及川さん達のバレー練習を見ながらそう思った私は自然にそう声に出してしまった


花｢やってたよ｣

少し俯いて何かを考えてるのかなって思ってたらまた前を向いてバレーを見ながらそう応えた

あ｢…そっか｣


花｢ねぇ、覚えてる？｣

あ｢え？｣

花｢中学の時私がレシーブ全然出来なくてさ、私がもうやだ！って言って諦めかけてた時Aが"報われるまで努力すればきっとできるはずだから"って私に言ってくれての覚えてる？｣

あ｢…｣

言ったっけ…そんな事。全然覚えてない

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