自称ブスは変わり者3 (ページ12)

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110話ページ12

電話越しにため息をつく及川さんに何かしてしまったのだろうかと聞き返した

あ｢え、私何か不快な事言いました？｣

及『不快とかそんな事はなくて』

あ｢？｣

及『そんな事ないって思ってるけど期待しちゃうからやめて』

期待？え、どういうこと？

ちょっとよく意味がわからなくなって混乱している私

及『鈍感なAちゃんの為に及川さんから教えてあげるね』

あ｢あ、はい｣

及『Aちゃんの事好きな男は黒尾くんだけじゃないからね』

あ｢…｣

"俺、多分Aさんの事好きです"

"俺、黒尾さんがAの彼氏って聞いてちょっと焦ってる自分がいるとかめっちゃ恥ずかしくてどうしていいか分かんないかも"

そういえば、前回の合宿の時に告白？なのかは分からなかったがそんな事を言われていたような気がした

及『おーい』

反応がない私に及川さんが私に声をかけた

あ｢そんな事ないですよ、だって私みたいなのを好きになってくれる優しい人はきっと私の事よく知ってる黒以外いないと思います｣

今も思ってる。どうして黒は私を選んだのかなって…

私以外にも可愛い女の子は沢山いるし、黒はかっこいいからすごくモテるのに、どうして私なんだろうって

あ｢どうして私なんだろう…｣

あ、しまった、と思った時には既に遅かったらしい

つい思っていた言葉が出てきてしまった…それを及川さんに聞かれてしまったことが恥ずかしかった

及『うん、分かる。どうして黒尾くんはAちゃんを選んだんだろうって』

あ｢ぶん殴りますよ｣

及『俺は今宮城にいるから殴れませーん！残念でしたー！』

へへーん！と勝ち誇ったような声が聞こえる

あ｢何か及川さんって、言う事が幼稚ですよね｣

及『そ、そんな事ないもん！ふん！』

あ｢そういう所ですよ…｣

及川さんと話すの飽きないな…もっと喋っていたいけどそろそろ終わりにしないと…明日も及川さんは朝練あると思うし

あ｢えっと、そろそろ時間も遅いのでこの辺で終わりにしません？｣

及『…』

私の声が聞こえていないのか、もう一度及川さんに声を掛ける

あ｢あの、そろそろ時間も遅いのでこの辺で｣

途中まで言いかけた時及川さんによって遮られてしまった

及『聞こえてるよ』

及川さんから出た声はどこか優しい声で、安心させられるような声色だった

あ｢っ…えっと、じゃあ、おやすみなさい｣

及『Aちゃん』

さっきと同じように優しい声で名前を呼ばれ、何ですかと応えた