貴女に惚れた15 ページ18
「ん？」
ふと、声が聞こえた様な気がして立ち止まる。
「…どうしました？」
俺が立ち止まったのに気が付いた同僚がそう声を掛けてきた。それには応えず、俺は空を仰ぎ聞こえる筈のない声に耳を傾けていた。
やはり何も聞こえない。
「何かあったんですか？」
「…いや、何でもない」
「あ、ちょっと！」
いつの間にか俺の側まで来ていた同僚にそう云って先へと進む。置き去りにされた同僚は文句を云いながら俺の隣を歩き始めた。
「…大体、貴方は最近浮かれ過ぎです」
「そうか？」
「そうです。…全く、彼の人達の中では唯一まともだと思っていたのに……」
隣を歩く同僚は、勘弁してくれ、とでも云いたげだ。……ふむ、俺がまともか。まあ、あんな奴等に囲まれていればそう思うのも無理はない。
側から見れば俺も隣のこいつも、とてもまともには見えんだろうがな。
二人で鬱蒼とした森の中を進んで行く。と、不意に開けた場所に出た。どうやら目的地に到着したらしい。
「早く終わらせるぞ」
「おや、珍しく遣る気ですね」
「待っている、と聞こえた……様な気がする」
俺がそう云うと同僚は呆れた様な顔で溜息を吐いた。やっぱり逝かれてる、そんな声が聞こえる様だ。
…早く終わらせて帰ろう。そして与謝野女医に逢いに行こう。
その為に先ず、目の前の此奴等を
＿殲滅＿
しなくては、な。
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Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね！！ (2019年5月14日 22時) (
レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…！主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です！！ (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です！ (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - １ (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペンギン屋 | 作成日時：2018年7月9日 23時
