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貴女に惚れた4 ページ7

「おい、与謝野女医は居られるか?」


「ああ、鳳さん。与謝野女医なら奥に」


_俺が探偵社に通い始めて三週間が経とうとしていた。俺が大々的な告白をした、と云うのは探偵社中に広まったらしい。まあ、あの時は人も多かった。仕方のない事だ。


俺は暇さえあれば此処へ出入りする様になった。少しでも多く与謝野女医の側に居たかったから、同僚の誘いも全て断っていた。そうしたら彼奴ら、俺に特定の女が出来た等と噂している。


………間違ってはいないが。


俺はすっかり探偵社の常連だ。社員も事務員も俺を見れば、ああまたか、と云う顔をする。要するに慣れてきたのだ。危機感の無い奴等だ。俺が部外者と云う事に変わりはないのに。


そんな事を思いながら医務室へと向かう。扉の前で一つ、深呼吸をしてから叩敲(ノック)を三回。


「はいよ。入ンな」


部屋に入れば何時もと同じ、消毒液の匂いがする。この間与謝野女医からも微かに同じ匂いがする事に気が付いた。一日の殆どを此処で過ごすと云う事だから当たり前と云えば当たり前だが。


「しっかし…アンタも毎回毎回律儀だねェ。部屋に入る時は必ず叩敲なんかして。探偵社(ここ)で毎回律儀に叩敲する奴なンて、アンタと国木田くらいだ」


…国木田、とか云う奴は知らないが、親しき仲にも礼儀あり、だ。俺は礼儀知らずにはなりたくない。


その時、扉がガチャリと音を立てて開いた。

貴女に惚れた5→←閑話休題



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Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…!主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です! (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 1 (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年7月9日 23時

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