ボクはキミをえらんだから…15（yu-ta）

５時半に校門前 ページ15

それからは


Aを俺のマンションに連れて行き

毎日送り迎えと家事を頑張った俺…



風呂掃除なんてプロ並みに道具揃えて、ピカピカに…
掃除は得意だったんだな


食事も人並み以上に作れるようになって…

わかんないことは横尾シェフに教えてもらったり、Aが貧血気味っていったらパソコン開いて貧血に良い食事を作ったり…あ、薄味でね！


俺、主夫も向いてたのかもなんて感じ始めた頃



裕『もしもーし、何？』



高橋さんからの久々の電話は
これも久々のドラマの話


クランクインが２月

Aギリギリまで仕事するって言ってたから、ドラマ入ったら送迎も家事もできなくなっちゃうし…どうする



裕『っと迎えの時間だ』



毎日５時半には校門の前で待つ



Aが学生の時、よくこうやって待ってたな…

あの頃はまだデビューもできてなくてでも忙しくて
それでも常に一緒にいたくて

無理矢理迎えに行っちゃったりして



三浦ともよくぶつかってた

ヤラカシからAを守ってくれたりもしたのに、素直に感謝できなくて…


今ならホンの少しは受入れられたんだろうけど、当時の俺はまだガキだったし…


Aにも何度となく怒られたし

何度も喧嘩したっけ…



ホント俺ってどんだけAのこと好きだったのか…ﾌﾌﾌｯ…



ｶﾞﾁｬ


「何ニヤニヤしてー外から見たら変な人だよｯ…」



笑いながら乗り込んできたA




裕『お帰りｯ…ってぇ』



キスしようとしたら突き飛ばされて




「生徒や親御さんが見てます！」


プリってしながら前向いちゃって



相変わらず堅いヤツだ

っと言わなきゃなんないことが



裕『A…実は仕事が入っちゃって』



申し訳なさそうに言うと



「うわーおめでとう、どんな仕事なの？」


ニコニコしながら聞いてくるんだけど



裕『あの、ドラマ…４月からの連続の…』



不意に口を開くと



「……そっか、じゃあ赤ちゃん生まれる頃、忙しいね…」



裕『２月がクランクインなんだ
だから…』



「大丈夫 ホンとはギリギリまで仕事するって言ってたけど、なかなかキツくなってきて、早めに産休入ろうかなって考えてた所なの…年度末までは頑張ろうと思ってるんだけど」



裕『てことは３月いっぱい？』



「うん」



裕『赤ちゃん生まれる時は
必ず付いているから…』



「期待しないでおくね…ﾌﾌﾌｯ…」



笑って見せてるけど
ホントいつもごめん…

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