episode1 ページ3
《母が死んだ。》
この報告を聞くのは、二度目だ
それに従い、父がルビー宮の人々を殺したという報告も聞いた
ここまでは前世と一緒だ。
前世と違うとこはただ一つ、"声が出せる"ようになったことだ!
そして今、目の前にその父、クロードがいる
辺りは赤で染まっている
これは明らかにカーペットの色ではないだろう
こいつとは前世でも皇族内や政治的な集まりで仮の次期後継者としてしか会ったことが無い。私は、アーティやジェニットのようにこいつを父親として興味を持ったことがない。いやまて、デビュタントの時私の相手がいなく困っていた結果なぜかこいつとやることになってしまったんだよな。思い出すだけで最悪、
ア「ぅぅわぁぁん、うわぁぁん!」
アーティが泣いてる!
私は思わずアーティを抱えあげる
大丈夫、大丈夫と思いながらアーティを抱きしめる。
皇帝が目の前にいるにも関わらず、二歳という小さい体で必死になって妹を泣き止ませようとする姿は第三者からすると滑稽に感じられたかもしれない。
でもそんなことは関係ない。
アーティが泣いてる、ただこの事だけが私にとって大事なんだ
ク「おい、名前はなんだ」
誰?私?
つい頭を上げてしまいクロードと目が合う
聞かれてるけど絶対に教えてやるもんか、実の娘の名前も知らないような奴なんか父親じゃない!
嫌悪感をなるべく出さないようにするため笑顔をつくる
この私の行動に周りの大人たちは驚いてる
ただ一人、クロードを抜いては
ク「ほう、、、おい俺の問いに答えろ」
私は答えないと分かったのか、後ろの使用人に問いかける。
使「あ、姉のルーナ様と二つ下の妹、アタナシア様でございます」
誰かが答えた。
ク「....面白い。」
何が面白いだよ、
クロード達は帰っていった
先程までの張り詰めた空気感から一辺、全員の肩から力が抜けた気がする
ア「ぅぅ、えぇぇぇん」
ええとアーティ?
また泣き出してしまった
私も泣きたいわ
『ぅうわぁぁん泣』
ルーナ・デイ・エルジェア・オベリア、生まれてから早二年。
ついに涙腺崩壊いたしました。
というか、メイド達も泣いてる人がいる
そこからはもらい泣きの連鎖でルビー宮には泣き声が響き渡った
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作者名:星彩 | 作成日時:2022年6月4日 7時